カラスに起こされる。

まだ薄暗い朝。
蹴っ飛ばした布団を頭の上まで引っ張り上げて、騒音からのがれようとしたが、縦横が逆になっていたらしく、足元が寒くて目が覚めてしまった。

まだ、鳴いている。

甲高く一声泣くのではなく、発情期の猫みたいな声でまるでしゃべっているみたいだ。
絶対一羽じゃない。
一羽だったらものすごい肺活量がある烏。

結論。子烏が三羽だったわけだが。

まるで電車のボックスシートで知らない人三人に囲まれ、おしゃべりを聞かされているような、不快感。
ひどい目覚ましだった。

鶯も練習を初めた。

春は調子ハズレの音から始まる。