" 陽はまた昇る "
監督 佐々部清
原作 プロジェクトX
出演 西田敏行 *高野鎮雄
渡辺謙
緒形直人
真野響子
篠原涼子
仲代達矢 *松下幸之助
1973年
今日も陽が昇り雨戸を開け朝の支度をする響子
夫高野鎮雄は日本ビクター本社の開発室長
今 造りたいのはVTR一体型カメラ
が 突然
横浜工場ビデオ事業部に部長として移動になる
日本ビクターはステレオとテレビが主事業
ビデオ事業は不採算部門で事実上の左遷
前任者も前々任者も依願退職した
*
高野は横浜工場ビデオ事業部へ
出迎える事業部次長渡辺
ここは業務用VTRのCRシリーズが主流
故障が多く返品率が50%を越える
*
同じく本社から横浜工場ビデオ事業部に異動になった緒形
恋人の涼子はソニーの研究員
*
高野は本社からの社員2割削減の命令を無視し
家庭用VTRの開発を決める
目処は3年
でも
ビクターは各部門独立採算制
赤字解消のため
開発課を
ビデオ開発課とシステム開発課の2つに再編
システム開発課の仕事は
開発とは名ばかりの営業と販売
本社を納得させるため
向こう3年間右肩上がりの事業計画を無理やり作る
*
録画時間は1時間を考えていたが
営業先の声から
2時間に伸ばすと決定
*
1975年4月
ソニーが家庭用ビデオ・βマックスの発売を発表
録画時間は1時間
ソニーはビクターにもβマックスをOEM販売を促す
高野は2時間録画の自社製品ができれば
βマックに対抗できると踏み専務を説得
10ヶ月はβマックスの製造を見合わせる
と 約束を取り付ける
但し 問題は松下電器
親会社の松下電器がβマックスの製造を開始すれば
社長は右に習えで もう専務には抑えられない
*
10ヶ月を越えて試作機VHSを開発
カセットテープはひと回り大きいが
本体はふた回りほど小さい
高野は消費者の利便性を考え
VHSを統一規格にしようと
発売前に他社にも新技術を紹介
ソニーも他社へのOEM販売の要請を強め
通商産業省もビデオの規格統一を望み
1976年11月1日以降の
βマック以外の規格の新規発売を禁止する
最終的にビクターがVHSを販売できるかは
松下電器がVHSを選ぶかに委ねられる
高野は松下電器の当時相談役の幸之助に直談判
1976年10月31日
VHSの発売を決定・・・
VHS発売の経緯を描いた
ほぼ実話
βマックの録画時間は1時間
VHSの録画時間は2時間
この違いが勝敗を分け
それを決定付けたのは
レンタル・ビデオ店の誕生
2時間の映画は
βマックスではビデオ化できなかった
世界規格を作った窓際族高野鎮雄は
この後 日本ビクターの副社長になった
DVDが発売されたのが1996年
そろそろ
VHSを知らない世代台頭する頃か
Blu-rayが発売されたのは2006年
10年以上経っても主流になれず
これは駄目かも
陽はまた昇る
涼しい夜は終わり
暑い1日がまた始まる
2002年 日本映画 108分
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