イ製品品評会は、年に一度、市場に出回らない至高の畳表が集います。
津波による被害で、斜めになってしまったままの仙台空港の道路標識を後に、いざ熊本へ…。
熊本県八代市・八代ホワイトパレスで行われているイ製品・品評会表彰式会場に到着しました。
式典にも参加させていただきました。
表彰される石橋幸浩さん(写真上)。石橋さんの畳表は"品種・ひのはるか"で九州農政局長賞を受賞されました。
滞在二日目は、畳表製織を体験しに、イ草農家・石橋幸浩さんのお宅にお邪魔しました。
石橋さんの畳表は今年、"品種・ひのはるか"で九州農政局長賞を受賞されました。イ草が長さ順に機械により選別されていきます。
抜き寸別に長さ選別されたイ草(写真上)。
左から一番毛~五番毛と、長さ順に並べてあります。石橋さんの育てた品種は"ひのはるか"で、一番毛(一番左)のイ草の束が多く収穫されているのが分かります。基本的に"ひのはるか"は遅刈りの為、毎年草丈は伸びるものの、実入りが少ない傾向が多くあり、今回の石橋さんのように受賞される出来の良い物のは少ないようです。しっかり伸びて、しっかり実入りしたイ草が良いということです。
写真上は、二件目にお邪魔した森野さん。長さ選別された後は、色の選別をします。黒っぽいイ草や、赤いイ草を手作業で省いていきます。森野さんは熊本県が誇る"品種・ひのみどり"を生育しています。
ようやく製織が始まります。左右から出てくるイ草が、中央でクロスして均一な厚みの畳表に織り上がります。
織りあがった畳表の最終チェックです。
はつけたイ草や塩梅の悪い部分を道具を使って取り除きます。畳表の端もほつれ留めします。
最後に岩崎神社に参拝に行って参りました。
岩崎神社は、岩崎主馬忠久公(しゅめただひさ)がまつられており、岩崎公は西暦1505年、熊本で初めてイ草を栽培した方です。
地域の農村の将来を思って、自らイ草の苗を採取して栽培を始めたのが起源となっています。上土城跡地にある岩崎神社は、イ草の恩人として岩崎公が奉られています。地域の人々からは、イ草の“神様”として親しまれているそうです。
最終日にはイ草祭りが盛大に行われたようです。