2017年 夏のイ草の刈取り | 一服 / 宮城県柴田郡大河原町・齋藤畳店三代目の記録

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一級畳製作技能士/一級表装技能士
畳・襖・障子・屏風・和紙張り
宮城県柴田郡大河原町字新南28-4





 6/29~7/2まで、今年で7年目となる「夏のイ草の刈取り」の序盤戦のお手伝いと研修のため、イ草の産地・熊本県八代市へ行ってまいりました。


 
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 今年私がステイさせていただいたお宅は、八代市千丁町吉王丸地区の園田啓治さん宅。



 仕事にまじめで人柄のよい園田さん、以前から何度かお会いしております。




 栽培しているイ草の品種は、夕凪や在来種(詳細不明)といった昔ながらの素朴な風合いで耐久性のあるイ草の品種が多いようで、今年は夕凪に代わって新品種・涼風と在来種を栽培された模様です。



 イ草も品種により仕上がった製品に特徴があります。



 仕上がった畳表を仕入れさせていただくのが楽しみです。
 





 ↑イ草の収穫風景。



 ハーベスタという刈り取り機で収穫します。




 このハーベスタ、イ草の農家の減少からどうしても売れなくなり、平成20年度に生産中止になりましたが、関係者の努力により近年再び製造されることになりました。ですが、一台当たりの単価が高く、超高級車です汗 


 今年度は八代市に27台導入された模様。




 さすがに手刈りで収穫は超超きついと思います汗







 ↑刈り取ったイ草をコンテナに積んでいきます。



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 ↑今回は当店御用達、近所の小嶋新吾さん宅の田んぼのお手伝いも行いました。当店で作成した、「畳屋道場」の帽子を愛用していただいております。




 園田さん宅は、早朝3時より前日に乾燥したイ草を窯から取り出す「窯出し」作業が行われ、続いて窯入れ作業→田んぼに出て刈取り→泥染め→翌日収穫するイ草の「網上げ」、合間に稲の田植えと、このようなルーティーンを収穫の時期の3週間から1か月ほど続けて行っています。



 
 
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 ↑天候も、ドシャ降り→晴天が繰り返し訪れ、最終日にはカンカン照りとなりました。



 私もガングロになりました。


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 ↑早朝から行われるこの時期の作業は、お昼の時点ですでに8時間労働…。


 昼の休憩タイムが至福の時間となります・・・。


 私も7年の間、多くのイ草農家宅の天井を見上げてまいりました。


 

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↑途中、山形の東北芸工大の学生が、ソラシドエアのスポンサーを受け、イ草を使ったプロダクトの研修の為に、朝三時からガチンコで手伝いに来ており、地味に私も助かりましたw






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↑早朝から行われる収穫作業から参戦しており、移動の合間疲れて寝ていたようですが、気持ちは分かる!w



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 ↑他、所属している「TATAMI-TO(畳屋道場株式会社)」チームのプロデュサーである今村さん率いる撮影チームが、取材を行っておりました。




 皆さん畳屋道場の取り組みに賛同してくださり、ボランティアで動いてくれております汗



 詳細は後程…。







 さて、7年間様々なお宅に伺わせていただきましたが、通年は7/10~7/20頃の、イ草の刈取り中盤戦~終盤戦にかけて伺っており、今年は序盤戦の参加・・・。




 この作業があと20日ほど毎日続くのかと考えると、なんとなく心残りを感じて帰路へとついた、2017年のイ草の刈取りでした。



 当店も販売により力を注ぎますので、イ草農家の皆さんもお体に気を付け、頑張ってください!