今年で六年目となる、イ草の刈取りのお手伝いと勉強のため、3泊4日熊本県八代市へイ草農家のお宅へ御世話になってまいりました。
6月中に熊本入りしたのは今年が初めてです。例年だと毎年七月に入ってからでした。
なんでも、今年から本格的に市場に出始めるという新品種・涼風(すずかじぇ)の影響でやや早刈り傾向がある模様。
評判が上々な非常に楽しみな新品種です。
評判が上々な非常に楽しみな新品種です。
↑今回お世話になったイ草農家は、平井憲行さん。
2012年に、当店のFM番組に初めてイ草農家としてゲスト出演してくれた方でもあります。
今回は、熊本市から八代市まで電車で40分ほど南下して行きました。
窓から見える景色の住宅の屋根は、熊本地震の影響でビニールシートがあちこちにみられ、東日本大震災後の家の周りを思い出しました…。
御世話になっている和たたみの里八代・生産販売組合の皆さんが多く居られる八代市千丁町は、地震の影響は大きくはなかったようですが、一件ほど地震の影響で小屋が大きくやられてしまい、イ草作りを断念してしまった方もいらっしゃるようでした・・・。
↑今回初日午前中は、近所の下永さん宅田圃にて、刈り取ったイ草のコンテナ積みをしました。
下永さんと平井さんは親戚にあたります。
連日TⅤで、熊本県の水害が報道されており、心配しておりましたが、私が到着した日は刺すような日差しでした。
ですが前日は、多くの田んぼも冠水し、被害を避ける為大変だった様子です。
午後からは、平井さん宅の田んぼでイ草の網外し。
イ草は成長に伴い、倒れないよう網を張り、成長と共に徐々に網を上げていきます。
その網を収穫前に外す作業。
↑田圃の端から端まで外していきます。
↑網を外した後の田んぼのイ草。
↑網を括り付けていたパイプを、一本一本田圃から抜いて行きます。
↑網を外し、杭を抜いた後はイ草ハーベスタで次々刈り取ってい行きます。
今でこそ機械刈りですが、昔は手刈りで行っていたことを想像すると、心が折れます。
↑刈取り、コンテナ積みしたイ草。みずみずしい新鮮な刈りたてのイ草。
↑収穫したイ草を田圃から持ち帰り、コンテナ一台ずつ、シャワーを浴びせて洗浄していきます。
↑洗浄したイ草を、コンテナごと穴の中に落とし込み、泥染め作業を行います。
↑完全に泥に浸かりました。
イ草は昔から泥染めを行います。専用の泥で泥染めを行うことで表面がコーティングされ、収穫したイ草を状態よく保存できるわけです。
このように一台一台コンテナ事泥染める方や、イ草を一束一束泥染める方など設備により作業は異なります。
↑今度は泥染めしたイ草を乾燥させるため、窯に入れていきます。
大小にもよりますが、6台くらいのコンテナが入る大きな窯です。
↑窯入れしたイ草を鉄板で覆い、収穫したイ草を10数時間かけて低温乾燥させます。
↑翌朝は3時30分から作業が始まります。
十数時間かけて乾燥させたイ草を、今度は袋に詰めて収納する作業です。
↑窯出しと呼ばれるこの作業、熱さの残る窯の中、早朝からトップギアで始まるので体力を奪われます。
窯から出す人、袋に詰めて行く人と、流れ作業になります。
↑泥染め乾燥した粉じんの舞う中、黙々と早朝の作業が続きます。
↑袋詰めしたイ草を、一束一束保管庫に収納していきます。
多くの方は二階の保管庫に収納し、湿度管理や日よけの管理が行われます。
↑袋詰めされたイ草の束たち。
畳表に織り上げるその日まで、寝かせて置かれます。
今回、三日間この作業を繰り返し行いましたが、夕方時間ができた日は、自転車を借りて近所の田圃を回り、お世話になっているイ草農家の方々を発見した時はお話したり、作業をお手伝いしたりとしてきました。
六年通っていると、どこの農家さんがどこら辺の田んぼにいるか把握できてきます笑。
今回お世話になった平井さん宅では、
●AM3:30窯出し・収納保管
●AM5:50頃朝食
●AM6:20頃から昼まで田んぼでイ草の刈取り
●昼休憩後、午後から夕方まで泥染め&翌日刈り取るイ草の網外し
●九時頃就寝
というのが連日の流れでした。
六年に渡り、夏はイ草の刈取り、冬はイ草の田植えと、毎年作業に加わってまいりましたが、毎回どこのお宅に行っても思うのが、女性の仕事量。
奥様も旦那様とほぼ同じ作業をこなしプラスご飯の準備、おばあちゃんはちょっとした作業と炊事など、とにかくいやな顔をほとんどせず働かれます。
私も見習わなければならない部分が多くあり…。
平井さん宅は、御世話になっている和たたみの里八代生産販売組合の中でも、一番広いイ草の栽培面積を植え付けしているため、収穫の時期この連日の作業の流れが20日間近く続くようです・・・。
どうぞお体ご自愛くださいまして、今後出来上がった畳表を心待ちにしております。
久々に額が痛くなる位水を飲んだ、2016年イ草の刈取りでした。