Eisenbahn Österreich誌を参考に、2006年後半に発表されたオーストリア連邦鉄道(ÖBB)の2007年ダイヤに関する寄稿を日本語でまとめてみました。

なお、原本はドイツ語のため、機械翻訳で日本語への変換後、当時の鉄道状況などを別に調査したうえで追記、構成を変えて文章化しております。

 

まず、2006年10月号に寄稿されていた2007年ダイヤの概要について

 

 西部鉄道

  • 562/661列車、116/117列車は、ÖBBがDB(ドイツ鉄道)から貸与されたICE-T列車(ÖBB-4011型電車)で運行されている。
  • ICE661はザルツブルグ〜ウィーン間をノンストップとして25分スピードアップし、ウィーン西駅には0:15に到着する。運行本数の関係で、日曜日はランデック発ザルツブルク行きICE15661の増発列車がこの列車と並行して運行される。
  • 現在ザルツブルク~フランクフルト(マイン)間を運行するIC2390/2391列車は、リンツ~ザルツブルク~ミュンヘン~フランクフルト(マイン)~ライプツィヒ間を運行するIC390/391列車となる(リンツ発6時26分、日曜は運休、23時42分、土曜は運休)。
  • 以下の新路線が導入され、ビジネス路線の増便が行われるほか、IC847の運行区間が延長される:

IC844(月~金、日、祝日):ウィーン西駅発17:22 → リンツ着19:05

IC842:ウィーン西駅発19:34 → リンツ着21:30

IC843:リンツ中央駅発4:53 → ウィーン西駅着6:57

IC847(月~金):ヴェルス中央駅発5:29 → ウィーン西駅着7:37

IC845(月~金、日、祝日): リンツ中央駅発7:31 → ウィーン西駅着9:30

インターシティのウィーン~リンツ間の所要時間だが、途中停車駅が2~3カ所増えただけで、ユーロシティ列車より14~16分長い。

  • 夜行便にも変更が予定されている。 EN262/263 オリエント急行とEN312/313は2007年6月9〜10日をもって廃止される。TGV東ヨーロッパ線の一部運行開始に伴い、EN264/265はストラスブール発着のみとなり、CNL312/313の客車編成を引き継ぐ。IC748/849は、EN236/237の客車編成と共に、以前のEN262/263(オリエント急行)のルートでザルツブルク発着として運行される。これにより数十年にわたる衰退を経て、おそらく最も有名な国際特急列車の名前も消えることになる。
  • 旅客列車はリンツ・クラインミュンヘン駅に停車しない。
  • パッサウ方面の列車では、すべての長距離列車がヴェルス中央駅に停車する。EC24/25およびEC22/23の列車はICEの所要時間が短縮され、ノイマルクト・カラムとシェルディングは通過となる(EC23を除く)。この路線の拡張工事が進めば、優等列車、ローカル列車の所要時間も短縮される。
  • ブレンナー線では、EC188/189の運行ルートがボルツァーノからヴェローナまで延長される。インスブルックとリエンツを結ぶ回廊列車の所要時間は、南チロル区間で最大8分延長される。
  • ズンメラウ線では従来のシフト制が導入される。平日の午後、リンツ発ズンメラウ行きのスプリンター(準急)3820列車が新設される。D207はフライシュタットにも停車する。
  • 2007年秋以降、ミュールクライス線では全路線で1〜2時間等間隔のダイヤが改善され、一部では急行列車が運行されることで所要時間が短縮される。全列車のピュルンシュタイン停車場への停車が見直される。

 

 

 南部鉄道/エンス渓谷地区

  • EC33は、2006年ダイヤでのIC537フィラッハ行の時刻表位置で運行され、フィラッハ到着して27分後の18:06に方向転換しヴェネツィアへ向かう。ヴェネツィア発のEC32は、2006年ダイヤでのIC538 フィラッハ中央駅(12:02着/12:20発)からウィーン南駅行の時刻表位置で運転される。
  • ÖBBは、グラーツ/クラーゲンフルト〜ウィーン間の高速「ビジネス接続」列車を発表。ÖEC658は停車駅が増えるため、20分遅くなる。ÖEC886は、グラーツ〜ウィーン・マイドリング駅間を無停車で31分速く運行。
  • スプリンター(準急)1908列車は2006年ダイヤではグラーツからゼンメリングまでの旧ルートで運行されているが、月〜金曜日まではミュルツツーシュラーク始発で運行される。
  • ミュルツツーシュラーク〜ブルック・アン・デア・ムール間の普通列車は、ウンツマルクト/ゼルツタール方面の列車と部分的に接続される。最も顕著に改善されるのは、エンシュ渓谷〜ショーバーパス区間である。ザンクト・ミヒャエル、シュラドミング、ラートシュタット間をスプリンター列車が2時間おきに設定され、所要時間も短く、接続も良好だ。将来的には、ウィーンからエンス渓谷方面へは、乗り換え含む1時間間隔でアクセス可能だ。
  • ビショフスホーフェン発着のノスタルジー列車 E1996/1643が運行され、リーゼン発着のピュールン線列車もある。週末には、プッフベルク・アム・シュネーベルク行きのアドベンチャー列車 6451/6458列車が、ウィーン南駅発着で運行される。
  • グラーツ〜ソンバトヘイ間の直通列車が増発される(例:4708/9943の代わりにER4708)。
  • ズノイモ〜イェンナースドルフ間の直通列車は廃止。
  • マッテルスブルク線(註:ウィーナー・ノイシュタット〜ショプロン)のER2891とER2864が廃止される。

 

 

 東部鉄道

  • ウィーン〜ブダペスト間について2往復の新しい高品質サービスの列車が既存列車のルート変更により設定され、より高頻繁で運行される。その新設される列車は、IC349(ウィーン西駅発11:52)とEC43(ウィーン西駅発17:52)、EC42(ウィーン西駅発10:09)とIC348(ウィーン西駅発14:09)。既存のEC41は今後ウィーン西駅発6:45からウィーン・マイドリング駅(7:00発)経由でブダペストまで運行され、EC40はウィーン・マイドリング駅着21:55、ウィーン西駅着22:10で運行。このため、従来列車の所要時間は約20分長くなる。
  • タタバーニャ発着のER列車は約2時間間隔で運行される。センメリング線体験列車E1953/1838は、ブラチスラヴァ・ペトルジャルカ駅を発着する。ウィーン〜ブラチスラヴァ間では、マルヒェック経由のスプリンター列車とER列車が入れ替わる。

 

 

 フランツ・ヨーゼフ線(FJB)

  • FJBの所要時間は数分延長され、ジークムントシャーベルクでの機関車交換停車を除けば、以前のディーゼル列車の所要時間に戻る。現在のE2120(ウィーンFJ発18:24)とE2131(ウィーンFJ発23:29)は、利用者が少ないため運休、チェコ鉄道への直通列車も運休される。代わりにE2129が従来より16分遅れた時刻で運行される。土、日、祝日の午後、ジークムントシャーベルク〜グミュント間の時刻表にはかなりの空白が生じている(本数が少ない)。

 

 

 北部鉄道/高速列車

  • ウィーン南駅とブルノ本駅を結ぶ北部鉄道線では、3往復列車が新設される。D270(ウィーン発7:32→ブルノ着9:18)、D272(ウィーン発12:32→ブルノ着14:18)、D274(ウィーン発17:32→ブルノ着19:18)、D271(ブルノ発9:39→ウィーン着11:30)、D273(ブルノ発14:39→ウィーン着16:30)、D275(ブルノ発19:39→ウィーン着21:30)。これらの新設は好ましいが、これらの列車をズノイモ発着と同様にERとして運行し、主要急行線に停車駅を数駅追加する方が、利用客、ダイヤ的により理にかなっており、運行本数も増えるだろう。地域交通と長距離交通の分離は、このような解決策の実現を困難にしている。D275の運行ダイヤ、発車時刻が前倒しされたEC177に近い。ブルノからEC177の従来の時間帯で運転されれば、より有利になることは間違いない。
  • EC76/136の代わりに、EC370がベルリン経由でオーフスへ。EC172は1時間発車時刻が繰り上げされる。EC72(ウィーン南駅発13:33)が新設される。EC71は従来より1時間早い9:28にウィーン南駅に到着。新設EC73はウィーン南駅着12:28。EC173は1時間早くウィーン南駅に到着。EC177(EC137/77の代わり)はベルリン発で、56分早くウィーンに到着する。
  • 74、76、73、75列車は、おそらくチェコ鉄道680型ペンドリーノ列車で運転される。
  • D202/203は、ウィーン〜プラハ間およびウィーン〜ドレスデン間(D376/377に併結)でチェコ国鉄の寝台車で運転される。
  • ミステルバッハ〜ラー・アン・デア・ターヤー間の電化完成により、近郊列車、RSB、増発される急行列車による定期運行が開始される。ラー・アン・デア・ターヤーまでの所要時間は、実質的に乗り換え時間分だけ短縮される。ミステルバッハシュタット停留所が新設された。ヴォルカースドルフ行きは約15分間隔で運行される。ラー・アン・デア・ターヤー・シュタットには旅客列車が運行されなくなった。平日でもミステルバッハ〜ラー・アン・デア・ターヤー間で1時間間隔の連続運行がないのは残念である。
  • ノルトヴェスト線では、平日はレッツ行きが1時間に1本、シャトフ行きが2時間に1本運行されているが、2007年9月1日までにズノイモまでの電化工事が完成するまでは、乗客には列車乗り換えが余儀なくされるようだ。Euregio列車の導入でも所要時間は据え置き。
  • プレスブルガー線では、深夜にウィーン空港のあるフィッシャムエント(ウィーンのフロリッドドルフ発22:13~23:46)を結ぶ列車が新設される。ウィーン・フロリッドドルフ発19:10ヴォルフシュタール行のRSB27677(月~金)が新設される。

 

本日は以上です。

 

参考資料:Eisenbahn Österreich 10/2006 Vorschau auf den Fahrplan 2007