時刻表に載った「寝台列車ホテル」について、前回2021年秋に取り上げてからしばらく開きましたが、4回目として、JR九州が運転した「唐津くんち」観客向けのホテル列車について、備忘兼ねてまとめます。
(80,90年代のお祭り・イベントの臨時列車の枠で取り上げたいとおもったので、ロゴはそれを採用しました)
唐津くんちホテルトレイン号
1991(平成3)年11月2〜3日が初年度の運行であることは、JR九州の社史(10年史)で確認しました。そのなかでは「以降毎年実施」と記事があり、少なくとも社史の範囲である1996(平成8)年では毎年運行されたようです。
アメブロの「コウさんのコウ通大百科 PART3」様のブログで、「平成22年最終運行時」というタイトルで、この列車をとりあげられておりました。同じブログ内で「休止をへて」という言及がありますね。
まとめると、1991年〜2010年の間で「運転」されており、うち数年は「休止」されていた。
下記は、寝台車の送り込みが唐津線で行われた模様を収めた動画です。有栖川のミニィ様Youtubeチャンネルシェアさせていただきます。
有栖川のミニィ様Youtubeチャンネルより
厳密にいえば「お知らせページ」に載っていました。
下記はJR時刻表1997年10月号の時刻表の「JRからのお知らせ」ページから。
チェックインが11月2日の21:40〜23:30、チェックアウトが3日の7:00〜9:30というホテル形式の列車です。また、この列車にあわせておトクなきっぷ”唐津くんちホテルトレインきっぷ”を発売します。
【唐津くんちホテルトレインきっぷ】
発売期間:平成9年10月3日(金)〜11月2日(日)
利用期間:2日間
ねだん:3,900円(こども同額)
うりば:JR九州のみどりの窓口、ジョイロード支店及び旅行センター
問い合わせ:唐津鉄道事業部
※朝食・入浴を希望の方は「唐津シティーホテル」にてバイキング・露天風呂(ともに別料金)をご用意しています。列車チェックインの際に係員にお申し出ください。
上記の記事では、肝心な乗車駅などの情報が載っていませんでした。2009年のマイナビニュース、前述のアメブロブロガー様の2010年の情報をまとめると、
運行開始当初は唐津駅発車し、隣の西唐津駅まで移動し、朝に唐津駅に戻ってくる、というルートだったようですが、2009、10年については、唐津駅でチェックインし、朝を迎えて、朝に西唐津駅にむけて出発していたようです。
誕生の経緯など JR九州社史より
九州旅客鉄道10年史の122〜123ページに、唐津くんちホテルトレインの誕生の経緯と取ることができる記述がありますので、一部抜粋の上紹介します。
地域に根ざした鉄道として効率化、活性化「真に地域に根ざした鉄道になる」。鉄道事業部が目指したのは、まさにこの目標であった。先の業務体制の改革は、むしろこの目標達成のための手だてといってよかった。しかし、この体制の改革は、掲げた目標への力強い前進を可能とする決定的な手だてとなった。改革とそれに伴う社員意識の変化は、「地域の活性化」と「鉄道の活性化」をつなぐ大きな力となったのである。JR九州初の鉄道事業部となった唐津鉄道事業部は、まず地元の方々に「鉄道事業部」という存在を理解してもらうことに苦心した。(中略)なかでも圧巻だったのは、「唐津くんちホテルトレイン」である。「唐津くんち」には、全国から観光客が集まるものの、唐津には宿泊施設数が限られている。そこで寝台車を宿泊施設として利用するアイデアが生まれた。その日、鉄道マンたちは”ホテルマン”に早変わり。タキシードを着てサービスに努めた。
編成はブルートレインをつかっておりました
編成については、鉄道ファンオンラインサイトと、なぜか「マイナビニュース」が記事がしておりましたので、そこを参考にします。
2009(平成21)年については、
・使用車両 「富士」「はやぶさ」で使われていたB寝台車4両
・ベッド数 128床。うち1両分30床は女性専用
とのこと。
2010(平成22)年については、
・使用車両 14系寝台車4両、牽引機はDE10 1753号機
とのこと。
関東〜九州のブルートレインは、2008年12月をもって廃止されていますので、2009年以降については、廃止後ながら、イベントなどで使用するために保管されていた14系編成を使用したものとわかりました。
参考文献 九州旅客鉄道10年史
参考サイト マイナビニュース2009年9月29日記事、Railf.jp、唐津くんち(Wikipedia)