先週のERTのFRIDAY FLYERでも触れましたが、高速列車タリスの廉価版(ローコスト)高速列車IZY(イージー)が、7月10日をもって運行停止となるようです。
International Railway Journal の5月20日の記事でも扱っておりました。
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引退が決まってから紹介するのもなんですが、知られざる欧州の列車の一つとして、今回はこのIZYを取り上げたいと思います。主にIRJ記事を参考にまとめました。
6年余りの運行で引退に
運行開始は2016年4月で、タリスが経由する高速新線ではなく在来線で運行することで、高速新線利用費用分を抑えていました。その結果、所要時間は、タリスが1時間25分で結んでいたところ、IZYは2時間30分と約1.6倍の時間を要しました。
使用車両は、当初、白、緑、紫のカラーリングを施したタリス専用列車2本を運行し、後にユーロスターを借り入れた編成を使用しています。
下記は当初のIZY。かつてタリスで使用されていた編成です。
下記がユーロスターを借り入れた編成の写真
当初は週末に1日1〜2本、ブリュッセル-パリ間の運賃は片道15ユーロ(約2000円)からという低価格のサービスを提供。その後、コロナウィルス感染症の影響はIZYにも多大な影響を与え、感染ピーク期はサービスを停止していたようです。
ERTの2022年5月号紙面でのIZYです。2022年5月現在では週末中心で週4往復。風前の灯火です。
IZYだけでなく、タリスの名称も消滅へ
タリスのローコストブランドとはいえ、実はタリスブランドも近々消滅します。
英仏を結ぶユーロスターと合併が決定、2022年にはブリュッセルに新会社「ユーロスター・グループ」が設立されました。
今後の動きとしてベルギーの報道によると、タリスは間もなくユーロスター・レッドに、ロンドンからパリ、ブリュッセル、アムステルダムへの高速サービスはユーロスター・ブルーに改名される予定だそうです。しかしながら、その改名時期までは追うことができませんでした。
本日は以上です。
参考サイト:IRJの記事 Thalys to drop low-cost Izy service、Eurostar - Thalys merger completed
参考資料:European Rail Timetable MAY 2022
写真 Frickrのリンクより