◆貨物運送の倒産急増、物流「2024年問題」到来待たず…
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燃料価格の上昇、ドライバー不足、コロナ緊急融資の返済などが要因
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信用調査大手2社の調べによると、23年1-9月期の道路貨物運送業者の倒産件数はすで
に例年を大幅に上回った。
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政府は6日に「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめ、コンビニエンスストアでの
受け取りなどによる再配達の半減や自動化、機械化の推進による効率化、荷待ちや荷
役時間を標準運賃に含めることで賃上げ減資の確保、10年後をめどに船舶や鉄道輸送
を倍増しドライバー不足に対処するとしたが「足元の中小零細の倒産は止まらないだ
ろう」(帝国データバンク)と見る向きもある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/51f291e4a02a0ccd37fe3cd6b907ee0c62424a79
◆2024問題、迫る残業規制。頭悩ますバス事業者
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貸し切りバスでは「仕事を受注できないケースが増える可能性がある」
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バス各社は路線の経路変更や貸し切りツアーの行程調整を検討中。慢性的な運転手不
足で「既にぎりぎりの勤務体系」(業界関係者)にある中、業務の効率化を迫られてい
る。
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青森県内でバス事業を営む主要6社の運転手数は2023年4月現在、965人で1社当たり11.7
人不足している。
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国は人手確保策として外国人労働者の在留資格「特定技能」の対象にバス運転手を追
加する方向で調整している。県バス協会の池田専務は「外国人運転手の活用を考える
時期に来ている」と語る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8cbc3404a948ccb6526366942b98a63850fa0b1e
◆「もうちょっとトラックに、みんな優しくしてもらえたら…」
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「2024年の法改正がありますけど、日本の物流、多分止まりますよ」
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad835a247e4a41cb7764b9ac075b268c6ce300fd
◆夜の高速PA、普通車スペース5台分にトラックがドーン
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「その逆も」、サイズ違い駐車多発。「よくそこで寝てられるね」
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東日本高速道路(NEXCO東日本)のお客様センターにも、同様のマナー違反が寄せられ
ているといい、SNSなどで注意を呼び掛けている。
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2018年度から高速道路の駐車マス拡充を進めており、NEXCO3社では2022年度に約
400台の拡充が完了、2023年度には約600台の拡充を予定しているという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/51c0f5e71294958b982015f4ddf9cb0c41e3eb48
◆高速道PAの駐車場不足問題、大型車の運転手、休憩で「取り合い」
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静岡県内高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)で、大型車用の駐車
場不足が深刻化している。
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平日の夜間を中心に慢性的に混雑し、長距離を走るトラック運転手が休憩時間を確保
できず、枠外に駐車するケースも目立つ。
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残業規制が強化される「2024年問題」への対応が急務となる中、高速道路会社は駐車
スペースの確保を急ぐ。
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11日夜、御殿場市の東名高速道上り足柄SAは多くのトラックで混雑していた。あふれ
た車両が通路や乗用車・バス用のスペースに止まり、駐車場を見つけられずにそのま
ま本線に向かうトラックも見られた。
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「平日は午後6時を過ぎると新東名駿河湾沼津SAより東側はどこも同じような感じ。
駐車場の取り合いだ」。広島市と東京を月に5~6回往復するというトラック運転手
(45)はため息をついた。「トイレすらままならないこともある。労働環境を改善しな
ければ働き手は集まらないだろう」と話した。
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駐車場不足の背景には、ネット通販の拡大などで荷物の量が増え、休息時間を確保す
る運転手が集中していることがある。深夜割引適用のため時間調整する待機車両もあ
るとみられる。SAやPAに駐車できなければ長時間の連続運転につながり、中日本高速
道路は対策を強化している。
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足柄SAでは11月をめどに、大型車用スペースの一部で利用を1時間に限る実証実験を
始める。都市近郊のSAやPAでは8時間以上駐車する車両も多く、運転手が休みやすい
環境を整える狙い。駐車時間を判定する画像処理技術の導入も検討し、利用状況を調
べる。
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物流業界からはさらなる対応を求める声が上がる。県トラック協会の佐野寛会長は
「労働時間短縮のため高速道路を利用する比率が高くなり、駐車スペース不足の影響
は大きい」と指摘する。「企業の自助努力だけではどうにもならない」と訴え、既存
の駐車スペースの拡充とともに、運転手の休憩に特化したPAの整備の必要性を強調す
る。
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県内では中継輸送拠点の設置や駐車場予約システムの導入といった取り組みも広がる。
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新東名高速道浜松SAに隣接した「コネクトエリア浜松」は、遠州トラックと中日本高
速道路が整備した中継輸送拠点だ。運転手が入れ替わるなどして積み荷を交換し、従
来は1人の運転手が泊まりがけで運ぶ長距離輸送を、複数人で分担することで日帰り
勤務が可能になる。
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このほか運転手1人で大型トラック2台分を輸送できる「ダブル連結トラック」を対象
にした駐車場予約システムの実証実験も進む。
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東日本、中日本、西日本の3高速道路会社は2018年度から約3千台分の駐車スペースを
増設したが、依然として混雑は解消していない。乗用車が大型車用のスペースに駐車
するなど適正利用が図られていない実態もある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b54558718b043ec3a8207484d44e3ff6826fe3c4
◆2030年「10億トンの荷物」が運べなくなる…
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しかもドライバーが「不人気職種」である厳しい現実
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2015年には需要と供給は約29億2000万トンでバランスがとれていたが、需要と運ぶ能
力とのギャップは次第に拡大していく。
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2025年には需要が約31億1000万トンなのに対し約22億6000万トンしか供給できず約
8億5000万トンが運べない。2030年には約31億7000万トンの需要に対し供給は約20億
3000万トンにとどまり、36.0%にあたる約11億4000万トンが運べないというのだ。
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国交省の資料によれば、貨物自動車運転手の有効求人倍率(2021年4月)は1.89で、全
職業の0.95のおよそ2倍となっている。要するに"不人気職種"なのだ。
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"不人気職種"になったのは、待遇や労働環境が悪いからだ。全日本トラック協会によ
れば、2021年の年間所得は全産業平均が489万円なのに対し、大型トラックのドライ
バーは463万円、中小型トラックドライバーは431万円である。
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しかも待ち時間が多いこともあって労働時間が長くなりがちだ。2021年の場合、大型
トラックが2544時間、中小型は2484時間となっており、全産業平均の2112時間を大き
く上回っている。仕事量に対して十分な人数を確保できないので、ドライバー1人あ
たりが扱う荷物数は増えていく。そこに「待ち時間」の長さも加わって給与に見合わ
ない激務を強いられることになるのである。
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女性の就業者が少ないことも、人手不足を加速させている。2020年の女性ドライバー
の割合は3.6%と極端に低い。長距離走行や重い荷物を運ぶ「体力的にきつい仕事」と
いうイメージが敬遠材料となっているものと見られる。
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思うように新人が入ってこないと、就業者の高齢化が進む。全日本トラック協会は、
2021年に道路貨物運送業(トラック運送業と宅配便業)で働いた人の年齢を紹介してい
るが、30~40代が43.2%で、20代は9.0%と1割に満たない。一方、50代が27.6%、
60代以上も17.6%を占めている。このように、日本の物流は中高年が何とか
やり繰りしながら成り立たせているのである。
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このままなら、老後の生活資金を得るために働き続ける60代後半~70代がドライバー
のメイン層となる日も近いかもしれない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc494ff53df422f17c40025b1daeae187b12b27f
◆「全然休憩できない」、トラックドライバーに付きまとう"駐車トラブル"
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SA・PAも空かずのリアル
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将来的には予約制有料駐車スペースの導入も検討されている。豊橋PAや静岡SAなど一
部の施設で社会実験的に導入されている。現在、この社会実験は引き続き無料で実施
されているが、2021年には一部エリアで有料化実験も実施した。
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予約はETC搭載車に限られ、利用の2週間前から3時間前まで、15分単位で最大12時間
まで受け付ける。予約専用スペースにはゲートが設置され、事前に予約した場合のみ
入場できる。
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また、NEXCO3社は11月から時間制限の実証実験を開始する予定だ。全国11か所のSA・
PAで短時間専用(1時間以内)の予約スペースを設け、回転率の向上を目指す。その結
果、ドライバーがより効率的に休憩時間を確保できるかを検証する。
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ドライバーの負担をいかに減らす努力を続けるかは、今後も大きなテーマである。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b36606a60bbe6263b1498924fca8fda6b7360c14
◆ドライバーの労働環境改善と言いながら空気を運ぶ率が上がっているワケ
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「荷物の3割が運べなくなる」と試算されている「2024年問題」の発生まで残り半年
を切った。
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トラックドライバーが最も過酷な労働環境に晒されてきたことは統計にはっきりと表
れている。「過労死等の労災補償状況」という厚生労働省の統計によると、2022年度
に「脳・心臓疾患」で労災が支給決定された業種で最も多かったのが「道路貨物運送
業」の50件。2位の「総合建設業」の18件を大きく上回り、最も人数が多い業種だっ
た。50件のうち、19件が死亡している。
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労災は業務との因果関係の立証などでなかなか認定されないとされる。実際、「道路
貨物運送業」の労災申請は133件に達している。
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働き方改革が進められてきた中で、トラックドライバーの労災がなかなか減らない背
景には、「自動車運転業務」だけが「例外扱い」になってきたことが大きい。2019年
から始まった働き方改革関連法の施行で、時間外労働の上限は年720時間と決まり、
同年4月から実施されている。中小企業は1年遅れの2020年から始まった。ところが、
「自動車運転業務」については、上限が960時間に設定され、しかも施行日が2024年
4月からと、5年も先送りされてきたのだ。
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理由は、労働実態が法律の上限規制からかけ離れていたこと。長距離トラックなどで
は、サービスエリアで仮眠を取って走り続けるのが当たり前で、しかも早朝に市場な
どに荷物を届けるために深夜走り続けている。それに規制をかければ、物流が止まり、
経済活動がストップしかねないということで、5年間にわたって適用されずにきたの
だ。
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この間、「業界慣行」を見直すなど、業務全般を変えていく動きも見られたが、現実
には状況はほとんど変わらなかった。
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「ドライバーの労働環境を改善しようと言いながら、空気を運ぶ率がどんどん高まっ
ているんです」と大手運輸会社のトップは語る。
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トラックがどれだけ荷物を積んで走っているかを示す指数を「積載率」と言う。行き
は満載でも帰りにカラで走れば50%ということになる。国土交通省の調査では1990年
に積載率は55%だったが、2009年には40%に低下、今もほとんど上昇していないと見ら
れる。
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「極端な話、荷物ひとつでも届けなければならないケースがある」と中小運輸会社の
社長は言う。荷物を依頼する「荷主」の力が圧倒的に強いことが背景にある。
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輸送を受注しているのが大手運輸会社でも、実際に運んでいるのは下請けや孫請けの
中小零細運輸会社であることも少なくない。「荷物の量がまとまってから運びますな
んて到底言えない」と社長氏はため息をつく。
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大手運輸会社では、ITシステムを使って、荷物の行き先を管理し、荷物を組み合わせ
ることで積載率を上げる取り組みが始まっている。大手どうしで荷物をやりくりして、
効率を上げる試みも進む。だが、結局、荷主の協力がなければ効率化は難しい。荷主
の後ろにいる消費者のマインドを根本から変えないと、状況は改善しないわけだ。
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最近は若者よりも高齢のトラックドライバーが目立つ。4割が50歳以上と言われて久
しい。今後、労働時間が減って所得も減るということになれば、若者がますます入っ
て来ない業種になる可能性はある。そうなると、本格的なドライバー不足時代になる。
2024年問題はその入り口にすぎないとも言える。
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一方で、エネルギー価格が上昇し、トラックの燃料代が上昇する中で、運送料金を引
き上げられない中小運輸会社の破綻が相次いでいる。来年4月以降、人手を確保する
ために人件費が増えてくれば、さらに倒産が起きる可能性は高い。
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倒産によって弱い企業が淘汰され、値上げと共に賃上げができる企業だけが生き残っ
ていく、という見方もある。サービスの質が大きく下がる一方で、料金が上がるとい
う事態に直面するだろう。
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物流は国の重要なインフラだ。自由化によって宅配便が生まれたことで、新しいビジ
ネスが育ってきた。宅配便がなければ電子商取引がここまで広がることはなかっただ
ろう。製造業が部品在庫をほとんど持たなくても製造が続けられるジャスト・イン・
タイムも物流インフラがなければ実現不可能だった。世界に冠たる物流ネットワーク
を作り上げた日本は世界からの驚嘆の的になった。一方で、そのネットワークがトラ
ックドライバーの過重労働によって支えられてきたことも事実だ。今、日本はその負
の側面をどう解決するかが問われている。
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ピンチをチャンスに変える工夫と、新しい取り組みを規制しない柔軟なルールが必要
になるだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/371817cbc6671df027aca77dae23ee0de5cf56ab
◆トラックGメン、2024年問題を目前にドライバーの待遇改善なるか?
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国土交通省は2023年7月にトラック運送における不適正な取引の監視を強化する「ト
ラックGメン」を発足した。
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貨物自動車運送事業法(貨物車運事法)に基づき、違反原因行為を行っている疑いのあ
る荷主に対して「働きかけ」を実施する。荷主が違反原因行為をしていると疑うに足
りる相当な理由があるときは「要請」、なお改善されないときは「勧告・公表」に踏
み切る。
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トラックGメンの発足後、2023年7月21日~9月30日の間に、Gメンだけで働きかけ120件、
要請5件を果たした。
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今後、国土交通省は11~12月を「集中監視月間」と位置づけ、トラック事業者に対し
て荷主の違反原因行為の調査を実施、その結果を踏まえて貨物車運事法に基づき「働
きかけ」「要請」「勧告・公表」を集中して実施する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba2e55261b8ab50d605030bbb943c9da019da480
◆2024年問題、海運シフト拡大へ。危機感高まる。政府も本腰
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フェリー・RORO船へのモーダルシフト需要は大きく伸長が予想される
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e0436be1c9c0c47078d3fd50887ee2d47263fc7
◆大型車の最高速を20km/h上げると実際どれくらい時間短縮できる? 清水草一氏
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往路が2時間39分、上限速度を20km/h上げた復路は2時間3分。36分間(23%)短縮
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高速道路での大型トラック(車両総重量8t以上)の最高速度は、現在80km/h(スピード
リミッターは90km/hで作動)と定められている。それを100km/h(スピードリミッター110
km/h?)に引き上げようという動きがあるのは、皆様ご存じのことだろう。
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最高速度を2割引き上げても、前に遅いクルマがいれば時間短縮は不可能。「ほとん
ど効果ないのでは」という声もある。実際のところどうなのか、たしかめてみた。
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テストを実施したのは9月25日。乗用車を使用し、神奈川県の港北PAから新東名の浜
松SAまでを往復(片道209km)した。
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往路は、御殿場JCTまでの東名区間は上限80km/h、新東名区間は上限90km/h(大型車の
リミッター速度)で走り、帰路は新東名を上限110km/h、東名を上限100km/hで走行し
た。
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東名区間は、80km/hを守っている大型車と、90km/hのリミッター速度で走る大型車の
割合は、3:7程度。80km/hを守っているのは、一部大手運送会社である。
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たまに遅いトラックが現れて行く手を阻む。上限90km/hで追越車線に出るためにはか
なりタイミングを計る必要があり、その時は速度を下げせざるを得なかった。ただ全
体としては、快適なドライブだった。理由は、大型車ドライバーのマナー向上にある。
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1998年、大型車にスピードリミッターの装着が義務付けられるまで、深夜の東名は130
km/hといった速度で突っ走る大型トラックであふれ、戦場のようだった。
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それから四半世紀が経ち、現在は会社側が運行速度を厳密に管理している。もう飛ば
して時間を詰めても稼ぎは増えない。大型トラックのドライバーは、ロボットのよう
に淡々と走るのみ。たまに1~2km/hの速度差で追い越しをかけるケースがあるため車
線が塞がれるが、昔のような粗暴運転は消滅している。
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往路も深夜に走れば、これほどの差はつかなかったはずだ。しかし上限速度を20km/h
上げたほうが、追い越しが断然楽になるため、所要時間だけでなく、ストレスも軽減
されることが実感できた。
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大型車の最高速度を20km/h引き上げると、事故が増加するという意見もある。しかし、
新東名で普通車の最高速度を20km/h上げても、事故は増加しなかった。その実績から
考えれば、根拠は薄い。
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実走テストをした感想は、「最高速度を20km/h上げた場合、時間短縮効果もかなり大
きいが、それ以上にドライバーの疲労負担が軽減される可能性がある」というものだっ
た。
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もちろん、それがどの程度人手不足対策に資するか未知数だ。東名・新東名とも、深
夜のSA・PAは、休憩や時間調整をする大型トラックで溢れかえり、入口・出口車線の
路肩も埋まっている。大型車のドライバーにすれば、そちらのほうが大きな問題のは
ずだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/62e13b8bdd5abcc07a2e8e4069b396398623090e