はじめての泣き声



あつい涙あふれ



その泣き声は



あなたの呼吸 生命力


小さな命のあかしだと知る



わたしの身体の中から



出てきたあなた



わたしの一部から

わたしの娘になった




痛みも苦しみも

全身で受けとめて


今はあなたを胸に抱く



こんなにいとしいものが


この世にあったなんて



こんな小さなあなたが


これほどいとしいなんて



知らなかった




一人で入院して

二人で退院した


ちゃんとやれるかな


ちゃんと守れるかな


ちゃんと愛せるかな



ガラスみたいに壊れそうな


あなたを胸にひしと抱いて



開いたドアから流れこんだ

秋風が


とても冷たかったこと

とても怖かったこと



よく覚えている




毎日泣いて笑って

ころころ表情を変える

あなた



 まばたき一つ

 うんち一つ

 げっぷ一つ


なにをとってもいとしいから



ふたりで楽しくやっていける


みんなで楽しくやっていける




あなたの色んないとしいを


毎日胸に焼き付けて



あなたを身ごもってから

感じた喜びも不安も痛みも

忘れず胸に焼き付けて





こんなにいとしいものが

この世にあったなんて

こんな小さなあなたが

これほどいとしいなんて

知らなかった



だから


あなたにみんなに感謝して



強く優しく生きて行こう