家の近くの道を

運動靴に履き替えて

少し大股で歩く



急に細くなる道を右に曲がると

奥に見えてくる小さな家

その家の前を通るのが

日課になった





小さな門から続く白い通路の両側に

綺麗に並ぶ龍のひげ

塀沿いに整えられた山つつじ

玄関前で出迎える桔梗や露草






その家にはご主人が

たった1人で暮らしている

目が合うと言葉は交わさず

控えめな笑顔で会釈して下さる






奥様が残したそのお庭を

日々絶やさずに手入れしながら

大切に守っている




客人がいつ来ても気持ちのいいように

いつ戻るかわからない子や孫のために









玄関までの決して長くない通路には

豪華な花も立派な枝振りの木もないけれど





静かなご主人の優しさと

思いやりと いつくしみが

庭の隅々にまでゆき渡り

本当に美しいお庭だと心洗われた







その優しさに逢いたくて

その優しさを感じたくて



明日もその美しい庭まで歩く














  ~ ♪ ~ ♪ ~ ♪ ~
   
       妊活の一環で始めた
    ウォーキング。体に
    いいだけでなく心に
    もいいんですね。
    綺麗なお庭を見る
    と、つい立ち止まっ
   てしまいます 
   花