秋田和徳ブログ『バラ・グラフィック』
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BUCK-TICK「MOONLIGHT ESCAPE」

Todd Rundgrenで「瞳の中の愛」。

 





2020年8月26日発売、
BUCK-TICK「MOONLIGHT ESCAPE」。

 

 

 




初回生産限定盤は、
シングル「くちづけ」以来(?)の透明スリーヴ仕様。

 

 

 




主題は「月の兎」ならぬ「月のB-T」。
ラフ案には「夜空に浮かぶ月」と
「月の瞳」の2種がありました。

 

 

 

 




顔のパーツのClose-up、殊に眼は
古今東西のアート作品に数多く見受けられるため、
あらかじめラフ案の傍らに
敢えて過去の“眼ジャケ”の数々
――当然彼らのものも――を並べておきました。

それでも彼らが選んだのは「月の瞳」。
“月並みな”モチーフであることは誰もが承知の上。

ラフの段階ではヘヴィでダークなアイ・メイクを想定するも
撮影間際に気が変わり、
“グラマラスな”というリクエストをお伝えしたのは撮影当日。
にも関わらず、瞬く間に美しく仕上げてくださったのは
山路千尋氏。

 

 

 




初回生産限定盤に限って
ひとつ気になったのは、ジャケ写では
このジャケットの意図が100%伝わらないこと。

なぜ主役たちがうすぼんやりしているのか?

 

 

 




そんな不安から購入特典のクリアファイル用には
いくらか鮮明にメンバーの姿が見えるよう捏造した、
フェイクのジャケ写を作成。

 

 

 

 




そして
「僕は舞う」というリフレインから生まれたのが
通常盤のジャケット。

 

 

 




こちらの案は当初落選となりかけていたところに
「やりたい」という意見が出たので
両方やることを提案。

初回限定盤、通常盤のジャケットの区分は
メンバーの意向ではなく、
スリーヴケースとジャケット本体の関係性、
つまりはデザイン上の都合(見え方)によるもの。

メンバーに提出する以前に
自分で棄却したものも数知れず。

 

 

 




コロナ禍に発表されたアーティスト写真が
同じタイミングでのプレゼンだったこともあり、
ラフにはペストマスクを装着した案も。

 

 

 




こちらがアーティスト写真のラフ。

 

 

 




アーティスト写真、
なのに顔を覆うというあるまじき案は
なかなか微妙なというか、正確には
ほとんど反応がありませんでした。

「むーーーーーん」。(会議室)

薔薇マスクがいけなかったのかもしれません…。

実現の可能性は甚だ低いと感じながらも
スタイリストの清水氏には一応
「マスク的なもの」を用意していただき、
結論を確認しないままに撮影も敢行。
その後はじめて(!?)このマスクのカットの
使用許諾をハッキリ確認したところ、
「(え、今頃?)うん(いいよ)」と一言。
(カッコ内は推測で補足)

 

下の写真はマスクケース。

 

 

 




それはさておき、
この“マントをひるがえす”写真というのは
偶然性にも左右されることから
必然的に撮影カット数も多くなります。
そしてその内の半分ではハットをかぶっておらず、
ジャケットは途中までずっと
ハットなしversionで進んでいました。
最終ジャッジは無論御本人。


スタイリング、マント制作は清水ケンイチ氏。
写真は小松陽祐氏。

 

 

 




いずれのジャケットにも
表現としての目新しさはありません。

それでもやるのはなぜか。

それは、ひとつの演目を異なる演出、
異なる役者で演じる芝居のようなもので、
結局「誰」がそれを演るのか、
その眼は「誰」のもので、
そこに「何」が映し出されているのか、
それこそがもっとも重要なことだからです。

デザインは“サーヴィス”。
その思いは年々強くなります。










*
My all-time favorites
#237

曲は、The Raspberriesで「Let’s Pretend」。

 

 

 

 



この曲を最初に聴いたのはカヴァー・ヴァージョン。
改めて聴くと、こちらにはさりげなくチェンバロの音色が!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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