秋田和徳ブログ『バラ・グラフィック』
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2018-12-12 21:06:09

sads『FALLING Ultimate Edition』

テーマ:PICK UP WORKS

McAlmont & Butlerで「Falling」。

 





2018年10月24日発売、
sads『FALLING Ultimate Edition』。

 

 

 




リリース形態は
DVD付き2枚組(初回限定盤/写真左)と、
ボーナスCD付き2枚組(通常盤/写真右)の2種。

ジャケット・デザインの依頼の際に伝えられたのは
「sadsとしての最後のアルバム」ということだけ。
にもかかわらずジャケットやブックレットに
メンバーの写真がほぼゼロなのはアーティストの意向。
意向といっても、別に言葉で宣言されたわけではなく
それとなく、言外に、です。
つまりはほぼすべてのパーツを
もっともファンが望むであろう
アーティストの肖像に頼ることなく、
デザイナーの責任において構成しなければなりません。

自分も長く音楽ファンをやっているので
ファンの心情というのをついつい考えてしまうのですが、
ひとつ心得ているのは
誰もデザイナーの自己主張など望んでいないということ。
「意味のわからないヴィジュアルにページを割くべからず。
そんな暇(ページ)があったらアーティスト写真を入れるべし!
ルックスのいいアーティストなら尚更に」
ですよね?
わかってますって。

さて、言い訳が終わったところで、
今作はsadsのこれまでのジャケットに使った(使われた)素材で
その多くを構成しています。

一番最初にとりかかったのは表1(ジャケット)。
『SAD BLOOD ROCK'N'ROLL』にはじまり、
『BABYLON』、
『THE ROSE GOD GAVE ME』、
『untitled』、
『13』、
『THE 7 DEADLY SINS』、
『LESSON 2』、
『erosion』、
そして今作『FALLING Ultimate Edition』と、
順に全てのアルバムを繰り返し聴きながらの作業。
聴いてるうちに過去のさまざまなヴィジュアルが甦り、
表1は自分でも驚くほどの猛スピードで完成。
しかも返事も史上最速、一発OKでした。

 

 

 




ただここまで詰め込むと、もう表1だけで
(見る方も)お腹いっぱいだろうと表4はシンプルに。

 

 

 




ところが、今回清春氏からの唯一のリクエストが
「表4も表1と同じ密度(クオリティ)で」
でした。
今作でもっともしんどかったかのはその表4。
ほぼ2日で完成した表1と違って、
一度途切れたノリを取り戻すのに
随分と時間がかかりました。

 

 

 




レーベル面(写真は初回限定盤)。

 

 

 

 




出番は少なかったものの、
“チェリー・デヴィル”は今も気に入ってます。

 

 

 




通常盤の帯の初校(写真上)と再校。
キャッチ・コピーの追加にともない
サイズ(横幅)もスリムからノーマルに。

 

 

 

 




通常盤のボーナスCD『erosion』は

セルフ・カヴァー・アルバムで、

オリジナルはライヴ会場限定で販売されたもの。

 

 

 




写真下の左が現在入手不可(?)の限定盤
『erosion』の表1(ジャケット)で、
右が今作『FALLING Ultimate Edition』の
ブックレット中ページ(写真は通常盤)。
限定盤を入手できなかった方のために
まったく同じにしました。

 

 

 




ブックレットの中で、
元の素材がわかりにくいと思われるものをいくつか。

 

 

 

 

 




中でも初回限定盤のブックレットのみに入ってる
このページのヴィジュアルだけは、
ジャケットに使用した素材ではないので
ほとんどの方がわからないと思います。

 

 

 




素材は2000年に制作したポスター。
入れた理由はただただ自分の思い入れ、
それだけです。

 

 

 




そして、CD購入特典(?)の
B2 “果たして需要はあるのか?” ポスター。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ところで自分が今もこのグラフィック・デザインの仕事を
幸運にも続けることができている、
そのターニング・ポイントとなったのは
1999年から2000年にかけての
以下の仕事だったと確信しています。

ひとつは、楠本まき『The complete reprinted issue of
kissxxxx』(1999年)。

 

 

 




そしてsadsのライヴ・ツアー・パンフレット
『TOUR '00 BATTLE ROCKERS PART II
Welcome to my Babylon』(上の “思い入れ” ポスター含む)及び、
シングル「NIGHTMARE」(ともに2000年)。

 

 

 

 




いまだにこれらの仕事ができたときの
充足感を覚えています。
このことがきっかけで仕事の依頼が増えたとか、
そういった外的な変化(絵空事)ではなく
自分の意識の変化。
35歳にしてようやくグラフィック・デザイナーとして
スタート地点に立てたような気がしたのです。

さらに言うと、
2003年に発表されたsadsのアルバム『13』は
自分の新しい表現スタイルを手に入れる
契機となったジャケット。(これについてはまたいつか)

 

 

 




かようにsadsは自分の人生に深く関わりのあるバンドであり、
その最後を飾るジャケット・デザインを委ねられたというのは

非常に光栄なこと。

そんなsadsのラスト・アルバム。
どのような気持ちで臨んだのか、
それは言葉ではなくジャケットで。

それが自分に与えられた役割です。

 

 

 

 










*
My all-time favorites
#226

曲は、Queenで「Ogre Battle」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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