秋田和徳ブログ『バラ・グラフィック』
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cali≠gari『15 予告版』

Stevie Wonderで「Ribbon In The Sky」。

 




2021年2月10日発売、
cali≠gari『15 予告版』

 

 

 

 




カリ≠ガリの桜井青氏から
「打ち合わせがしたい」と連絡があったのは
昨年11月下旬のこと。
経験上、そういう時は決まって
差し迫ったタイミングであることは想像に難くなく、
緊急ミーティングはその日の夜。

その時点で「一週間以内に
撮影をしなければならない」と聞き、
あわてて思いつくままにいくつかのアイディアを提案。
桜井氏はグラフィックデザイナーでもあり、
言葉だけでイメージが’伝わるのは
こういう時に助かります。

とはいえ、それで果たして絵が成立するのかが
自分でも不安だったため、
その翌日にはひとまず候補地のひとつを
ロケハンし、早速作ったラフがこちら。

 

 

 




結局、前日の夜に自分が口頭で説明した
あおりの構図、言い換えると桜井氏が
頭に思い描いたイメージに近いのは
カメラマンの小松氏がロケハンしてくださった場所の方。
撮影は緊急ミーティングから6日後のことでした。

 

 

 




『檸檬盤』のジャケットは
合成のように見えるかもしれませんが、
これは電車が通るタイミングに合わせて3人が
「せーの!」で檸檬を上に放り投げた瞬間をとらえた
“一発撮り”。

 

 

 




その時の撮影風景。

 

 

 




『檸檬盤』は色鮮やかなRGB印刷。

 

 

 

 

 

 




撮影:小松陽祐
ヘアメイク:田端千夏
衣装:伊藤勇樹

 

 

 




いっぽうで、桜井氏よりはじめから
「こういう感じにしたい」という要望があったのが
『限りなく透明に近いレモン盤』。
ただ、盤面以外のパーツについては
そこから膨らまさなければなりません。

まず、歌詞やクレジットを
どうやって入れるかという問題。
重要なのは“CD盤が見えるように”ということ。

透明の筒型スリーヴや全面トレペ帯、
檸檬の輪切り断面の円形ブックレット等々、
いろいろと考えました。

 

 

 




ミーティングでは、歌詞を全部つなげて
デザイン的に処理するといった
アイディアも出ましたが、どうも自分は
“デザイン優先”という行為には抵抗を覚えます。
作詞者に対して
礼を失するのではないかと思うからです。
今作も、直前までは以下のように進めていました。

 

 

 

 




ところがそれを見た(見かねた?)桜井氏が
歌詞をつなげた状態のデザインを送ってくださり、
それをベースにジャケットは完成へと近付きました。
作詞者二人の許可を得たのですから堂々と
(読みにくいですけど)。

 

 

 




悩みの種はそれだけではありません。

CDケース内に、変にそぐわない原寸大の檸檬。
これだけ透ける素材を使用しなかったのも
あえての判断。

問題は、それが丸のままなのか、
はたまた輪切り断面なのか、ということ。
後者の方が、
見た目がキャッチーなのはわかっています。

が、やはり小説のごとく、
不意に檸檬が置かれてる、
その――CDショップの――様子を
思い浮かべたならば、それはもう
丸のまましかないという決断に至りました。

 

 



手を動かすことよりも、
おもいを巡らすことに多くの時間を費やした
『レモン盤』。

 

 

 

 

 




印刷物に関しても、
桜井氏の並々ならぬ熱意により完成に至った
“限りなく透明に近い”
『限りなく透明に近いレモン盤』。

 

 

 




レモン・イン・ザ・スカイ。

 

 

 










*
My all-time favorites
#242

曲は、The Blow Monkeysで「Digging Your Scene」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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