『鍵』

ここのところ、Amazon prime頼りで、、
映画館へは、殆ど行ってません……寒かったし、、
ここ2~3週間の封切り映画に、あまり興味が湧かず……というのも一つの理由、、

そんな時は、無理せず家で気ままに、

で、今日チョイスした一本は☝

何となく、ポスター⬇に雰囲気があって、興味が沸き鑑賞してみました。。

いわゆる、ジャケ買いってヤツ!

(第17回ゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネートまでされた、大変有名な作品との事ですが知りませんでしたm(__)m)

◇ 1958年作品
原作 : 谷崎 潤一郎
監督 : 市川 崑
主演 : 京 マチ子、仲代 達矢、中村 鴈治郎、叶 順子、北林 谷栄


〈簡単なあらすじ〉

京都に住む、古美術鑑定の権威である剣持(中村 鴈治郎)は、年老いて身体の劣化が著しく、もはや、自力では性的機能を果たせなくなってしまった為、薬に頼る日々を送っている。。

剣持が掛かり付けの大学病院のインターン・木村(仲代 達矢)は、剣持のお気に入りで一人娘・敏子(叶 順子)との縁談を勧めている。
木村は、明らかに財産目的で打算的に敏子と付き合うが、正直気乗りはしていない為、敏子に対しては冷たい態度をとっている。。

剣持の妻・郁子(京 マチ子)は、年齢差がある老いた剣持に対し嫌悪感を持ち、欲求不満である。

木村を頻繁に家に呼び寄せる剣持だが、
実は郁子との不倫を誘導して、、その行為を覗き見して嫉妬する事により欲求を満たすという、異常性癖の為であった。。。

木村と郁子は、剣持の思惑通りに、関係を結ぶ様になるが、同時に郁子の娘・敏子とも既に関係をもっており、母と木村の関係を知った敏子には激しい嫉妬心と殺意が生まれる、、、

その後、薬の過剰摂取等による高血圧により病状が悪化していく剣持、、

其々の思惑ばかりに囚われる、木村・郁子・敏子の三人……

もはや、剣持を親身に看護するのは女中のはな(北林 谷栄)だけであった。。

……………

※ m(__)mこの先ネタバレ注意
いきなり、冒頭から【仲代達矢】さん演ずる
木村が、ストーリーテラーの如く登場して、人間は如何にして老いて行くか?を医学的見地からレクチャーするという、、コメディータッチで来た……

中々面白そう( ´∀`)と思ったのも束の間、、

ある、変態爺さんの性趣向のお話しの始まり……

時代が時代で、、この程度の描写や露出で18禁になってしまったみたいですね、、

正直、性描写については、中途半端に感じると思いますが、、当時はあれでもギリギリらしく、中々想像力を掻き立てる描写にはなっています…

また、カラー映画なんですが、、全体的に暗く陰鬱な表情や、主役の四人のメイクも死人の様な顔色で覇気も若さの欠片もなしで、気味が悪い。。
何故か年長の御婆さん、はなだけは、茶褐色?で顔色が良く見える。。。。そこを暗示と捉えるのは、穿った見方をし過ぎか?

【京 マチ子】さんは吊り上げ眉毛で不気味さを増長させているが、、剣持が死亡した時の笑顔は妖艶だが空恐ろしかった、、
また、生前最後の晩餐(?)での台詞は、場面的には凡そ相応しくない、この映画のシニカルなユーモアが最高に表現されたシーンだと思いました。

オオラスのはな(北林 谷栄)と刑事達とのすっとぼけたやりとりも秀逸、、

最後は、
何かそれまでのプロセスとかどうでも良くなる様な、不謹慎ではありますが…してやったり感がありました!m(__)m

なんか、コーエン兄弟的な作風……
もしや、彼等のルーツはココに?とも思えてしまう様な作品でした。


★市川崑監督、にしてやられた感じ、、
参りましたm(__)m

……………

※その後、『鍵』は、4回映画化された様です、
多少の興味はありますが、、
この、市川崑監督版を超えるのは難しいのでは?と思います。

先々、機会があれば程度で………


鍵 [DVD]鍵 [DVD]
1,982円
Amazon