医療コンサルティングの高野聖義(昌則)です。
あるネット企業の方から、眼科部門に関する自費診療に関するサイトを立ち上げたいというご相談を受けた
いろいろな先生とお話をしているが、様々な問題を発生させる可能性があると言える。
自費診療分野は、厚生労働省が保険診療として認可していない分野である。海外で認められていても、国内での使用は患者さんの自己責任であるという前提で使用を認められている。
眼科分野での自費診療として有名なものは、レーシックである。このレーシックはいろいろな問題を抱えている。レーシックをしても、手術がうまくいかなかったと感じる方が多くおられるのである。
この問題は、複雑で深刻な問題である。
レーシック手術前には、様々な目の問題が発生する可能性があることを説明している。詳細な説明をしている医院もあるが、書類を提示して本人の同意を得ている医院もある。
ここで一番理解していただきたいのは、レーシックが怖いなどというくだらない理論ではない。
あらゆる手術で、いろいろなリスクがある。
これは当然である。比較的安全な手術もあるが、予後の問題で急変することもあるのだ。
簡単だから、安全だからということではなく、あらゆる医療でリスクは存在している。
薬を処方することも、当然効用と副作用がある。何か体に影響を及ぼすことをすれば、作用、反作用で何かしらの変化をもたらす。この変化が、どのような結果を生むのかは、予測できることもあれば、予測できないレベルのものもあるのだ。
自費診療を行うためには、熟練した医師と、熟練したスタッフで始めて提供できる。熟練度合いが低ければ、大きな問題を引き起こすこともある。
しかし、これは分かりにくい分野ではある。
と同時に、治療を受け入れたのは、患者さんの意志である。
意思決定しているのである。
つまり、この決定には、責任が発生するのである。
レーシック手術後悩まれている方が数多くいる。これは、事実であるが、医療機関だけの責任ではない。手術を受けるという決定をした患者さんにも責任があるということを理解していただきたい。
安易にレーシックなどの手術を行っている方も多い。
・価格も安いし、コンタクトレンズもいらなくなるんだよね。
・一日で手術できるんだよね。
・誰か紹介したら、お金もらえるんだよね。
いろいろな意思決定はあると思うが、安易に考えていただきたくない。自分の目は2つしかない。他に変えられない臓器である。
自分で責任を負うんだということを理解していただきたい。医療機関では、このような認識のギャップが出ないように、最善を尽くして説明している。
よくわからない、難しいというだけで、話を聞かない人もいる。このような人が手術後、苦しむようなケースが多いようだ。
自己責任という言葉で解決できる問題ではないし、医療としてのあり方もしっかり考えていく必要があることも重々分かる。
しかし、自分の体に自分で責任を取るつもりで判断していただきたい。
この点を理解して、手術までに何度も説明を医療機関で行っている。しかし、聞く側が自分の都合の良い解釈をしてしまっては、自分に災難が降りかかるのである。
この点を理解していただき、一人の人間として、考えて判断していただきたいと思う。