歯を治すのか、体を治すのか? | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

眼科医院、歯科医院、整形外科の医療経営コンサルタント 高野聖義(昌則)です。


ある歯科医院の先生とお話させていただいた時に、


『歯を治すということだけでは健康にはならない。
 体を治さないといけない』


というお話をしていました。


このような考え方の先生が増えてきているような気がします。
以前からも同じような考え方を持っている先生がいたのですが、声に出して聞くという機会が少なかった印象を受けています。


なぜ、耳に聞かれるようになってきたのか。


医療という業界は、専門化された世界です。細分化という表現の方がいいのかもしれません。
その中で自分の分野以外は分からないということでは患者さんに満足いただけないのかもしれません。


体のことを真剣に考えるならば、歯のことだけ、目のことだけ、腰のことだけ、内臓のことだけでは、本当の病気を治すことはできないのであると言えます。


ある先生の言葉を使わせていただくなら、

『病気は医者が治すのではなく、患者さん自身が治す』

ということだと思います。


手術や治療ということを適切に実施しても、実際は病気が治らないということが多いのです。

患者さんが適切な生活を行い、自分の健康にについて意識しなくては決して病気を治すことはできないのです。


病気には、気という言葉がつきます。

つまり、その人の気持ちも病気に関わっていることになるのです。


最近の傾向として、患者さんはお医者さんが病気を治してくれる。

さらに発展して、病気が治らないのはお医者さんのせいだという認識をする方もおられます。


医療という専門分野ですが、実際に病気を治すのは、自分の体の回復力や免疫力ですから、決してお医者さんが病気を全て治してくれるのではなく、治るかどうかの最終的な責任が患者さんにあるといえます。


これはスタッフにも良く言う言葉ですが、自分で決断して生きることを決めているのです。病気に関しても自分で治すという決断が必要なのだと思います。


そうなると、やはり医療には、単なる専門性だけではなく、広い視野での見聞や考え方を学び、実践していく必要性があるのだと思います。


現場では簡単に割り切ることはありません。しかし、これからも患者さんの要求レベルは向上していくと思いますし、その中でどんな医療を提供したいのかということを常に各医療機関の院長先生が考えなくてはならないのだと思います。