ある眼科医院の院長との会話 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

日本で最も有名といってもいい眼科医院の院長先生とお話をさせていただきました。

眼科医院の実状と問題点をお話させていただきました。
そちらの病院に来られる患者の方の数は多く、3分に一人の患者の方を診療しているとのお話でした。

一番課題と考えていることは、やはり患者様満足度です。

医院のモットーとして、患者様満足度を上げることをお話されていましたが、この患者満足度というのが難しい。患者の方は、いろいろな方がいらっしゃいます。

自分の診療が少し遅れただけで、不満を言う方もいらっしゃいます。
しかし、医療機関として常に意識しているのが、緊急性ということです。

緊急度の高い患者の方がいます。これは眼科医院も一緒です。
病状の悪化が急激な患者の方は、他の患者の方よりも優先して診療する必要があります。

どの患者の方も大切です。
検査だけで来院する患者の方もいらっしゃいます。
慢性的な病状のため、病状の悪化が見られないケースもあります。
その患者の方も一人の患者様です。
しかし、痛みを伴い早く診療する必要のある患者の方を現場では優先してしまうのです。

この場合、患者満足度はどうなるでしょうか?

すでに30分以上待たされた患者は、先に緊急性の高い患者の方を優先したことで満足度は減少してしまいます。

全ての方の満足度を満点にすることは不可能に近いのです。

例えば、待ち時間が嫌な患者の方が、早くしろと病院の勤務員に言います。
その場合、声を出してくれた患者の方だけを優先したらどうなるでしょうか?
その患者の方の満足度をアップさせることはできますが、他の患者の方の満足度を落とすことになるのです。

このような判断を、現場の方がそれぞれ行わないといけないのです。

求めているレベルは高いです。
規模が大きいため、こんな問題が大きくクローズアップされるのでしょうが、どの医院でも抱えている問題なのだと思います。

いかに満足度を上げるのか。これは医院の方針と大きく密接するものであり、末端の勤務員まで浸透させなくてはならない課題なのでしょう。