医療機関の組織改革 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

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中小企業コンサルタントの高野昌則です。

 

医療機関では様々な改革がなされています。しかし、その改革を阻む大きな壁があります。これが組織としての取り組みが行われているかということです。
 
マーケティング上、同じ目的のために3人以上集まったら、組織と呼ばれています。
 
ですから、院長先生と、スタッフ2名の小さな規模の医院でも、医院運営ということを目的としている限りは、組織であると言えます。
 
組織を統率することは難しいことです。
特に大きな医療機関で働いて独立されたような院長先生は、人との折衝が苦手です。人に自分の思いを伝えることや、大人数のメンバーの意見を取りまとめることは、やはり難しいことです。
 
リーダーシップの強い院長先生であれば、短期間での離職者を作ってしまいますし、リーダーシップが強くないようであれば、スタッフ主導の組織運営となってしまいます。
 
しかし、どんな組織でもうまく運営するコツがあります。
 
そのコツとは・・・・・
 
 任せられるか、任せられないかということです。
 
開業された医院などでは、院長先生のスキルが一番高くなります。
また、全体を見て判断するということも、院長先生しか出来ないことになります。
 
しかし、この院長先生も全ての従業員の動きまでは把握できません。
自分が患者様を診察している時には、あまり他の従業員の方の動きまでは把握できないのです。
 
そのため、実際患者の方をどのように対応しているのか、ということ全てを理解することは出来ないのです。
 
そのため、どうしても任せるという分野が欠かせないのです。
 
優秀な院長先生ほど、この任せるということが出来ないのです。
 
私ならもっとこのように対応するのに・・・・。
 
という思いが、スタッフに任せるということが出来なくなります。この信頼を作り上げるのが、マネジメントの初期段階であるといえます。
 
言うのは簡単。しかし、やるのは難しいですね。
 
元ボストンコンサルティングの堀氏は、
 
 「部下育成は、いくら損を生み出してもいいのかという投資の概念である」
 
と語っています。もし、自分が全てを対応することが出来るのであれば、もっと患者の方の満足度を上げられるのに。。。そんな思いをどれだけ抑えられるのかがポイントなるのです。