ある企業の店舗調査の報告会があった。
100店ほど出店している企業の立地環境について報告。
ロードサイド型業態といわゆる中心市街地に出店している店舗についての調査だった。
採算は悪く、今後転用は可能かどうかという話が中心であった。
では、店舗出店に最も重要なことは何ですかね。
ずばり、店舗立地です。小売業、サービス業など一般的な消費者を対象としてる企業では、店舗が利益を生み出す源泉となる。
当たり前のことですが、大手企業になればなるほどこの点を忘れがちである。
企業は成長を求められる。これは当たり前の話。大手企業のサラリーマンは上司が設定した売上高を確保することを優先する。
本来、小売業、サービス業では店舗開発を担当する人材が最も優秀でなくてはならない。
なぜなら、どんな優秀なバイヤーや、スーパーバイザーがいても、集客力のない店舗では何もできないからだ。
つまり、
店舗は商圏、立地で決まる。自社に適合した店舗を確保しなくては企業の成長はないのである。どんなに豪華な建物でも、周辺に競合の多い場所や、人の住んでいない場所では集客することはできないのであるから。
しかし、この店舗立地の重要性をしっかりと認識している企業は少ない。
成長企業ほどいい立地を抑えてしまうので、最終的にあまり良くない立地でもサラリーマンは出店していくのだ。
なぜなら、配属が変われば出店の責任を求められることはないのだから。
私も流通業で働いていた経験がある。
現場で一番辛いのは、どんなにいい商品を揃えてもお客様が来ないことである。集客力のない店舗で働くと、すぐに老け込んでしまうような気がしたものだ。
今、あまり元気の良くない企業をみると、立地状況の悪い店舗に出店している企業が多い。
ユニクロも調子が悪いときは立地状況の悪い店舗が多かった。(その後、ユニクロはスクラップ&ビルドしている。)
ダイエーしかり、西友しかり。
店舗をその利益の源泉としている企業で、出店立地を誤ることは戦略的な大きなミスである。その後の衰退の始まり。
しかし、立地状況を本当に意識している企業って、多いのかな。