秋刀魚のタンマ | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

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タンマって言葉は最近あまり聞かない。

いつだったか、吉永小百合さん主演の伊豆の踊子を観ていたら、その作中で、吉永小百合さん演じる踊子さんが、地元の子供たちと鬼ごっこか何かをしているときに、

「ちょっと、たんま。」

と仰っていた。

それがとっても俺には印象的だった。

たんま。

ちょっと待って、というような意味の言葉だ。

英語で言うと、wait a minute. これが俺にはウェナミニに聞こえてしょうがない。

 

話が変わって、秋刀魚の相場はいくらくらいなのだろう?

焼き秋刀魚は俺の好物の一つであるのだが、その価格は店によってまちまちだ。

350円というところもあれば、2000円という店もある。

冷凍の秋刀魚を使うか、獲れたての生秋刀魚を使うかでも、価格に差が出るのかもしれない。

先日渋谷の某百貨店の地下にある鮮魚コーナーで見かけた、刺身でもOKな生秋刀魚は、一匹700円の値が付いていた。

もちろん購入はしなかった。

俺が家で焼く秋刀魚は、言うまでもないが冷凍物だ。

でも全然、俺には美味しく思える。

先日、恵比寿の酒場で飲んでいた時も、俺は焼き秋刀魚を頼んでいた。

その店の秋刀魚は獲れたて生秋刀魚を使用しているのか、価格が若干高額である。

具体的に言うと、一匹1200円だ。

だが、他の焼き魚もそれくらいするので、ちょっと高いなとは思いつつも、俺はそれを注文している。

それに馴染みの店なので、こちらから、お店へのサービスの気持ちも入っている。

逆に言うと、初めて入った店で焼き秋刀魚にその値段がついていたら、おそらく俺はそれを頼まない。

俺に届いた焼きたての、表面の焦げ目からジュージューと脂が踊る秋刀魚を目にした、隣の客が、

「お、うまそっ、俺も秋刀魚!」

と、店の女の子に伝えた。

それから、黒板に目を移し、そこに書かれた焼き秋刀魚の値段に気づいたのか、言ったのだ。

「ちょっ、たんま。」

 

久しぶりに「たんま」を耳にした、って話でした。