難民のおうちで | marimo's blog

marimo's blog

青年海外協力隊で、作業療法士としてヨルダンに派遣されています!

文化も習慣も全く違うこのイスラム社会で、
山あり谷あり奮闘しながら、2年間の活動を綴ります!


テーマ:
以前にも書きましたが、
戦争で被害に遭った患者さんを紹介され、時折シリア人のおうちを家庭訪問しています。

元シリアで活動していた協力隊員の、シリア愛には到底かなわないですが、
何らかの縁でシリア人と話す機会が多く、私自身も何か貢献できればと思っています。

今、シリアは大変なことになっています。
祖国がさらに危険になって、一刻も早く帰りたいであろう国にいつまでたっても帰れない方々の事を考えると、何とも言えない気持ちになります。

先日、うちの近所に住む戦争被害者で息子が脊髄損傷で寝たきりとなってしまったそのお母さんから、着信が入っていました。
何かあったのかな、と思いかけ直したところ、

「シリアの料理を作るから、来て欲しかったのよ。」と。

私が掛け直したのはもう夜ですし、そもそも彼らは難民であり、他の現地の友人とは違ってお家で御馳走になるわけには行かないとも思っていて、丁重にお断りしたところ、

「じゃあ明日、来て、必ず来て。会えなくなる前に。」

と。シリアの国民みんながそうとは限りませんが、少なくとも私の周りのシリア人は本当に、心からのおもてなしをするのが好きで、人の事をとても大事にし、恩を感じて倍返しにしようとする、、、そんな国民性を持つ方が多いと感じています。

初めて会った人でも、話していて感じが良いなと思った人はシリア人であることが多いのも事実。
日本での報道の影響で、シリアに対するイメージはもしかするとあまり良くないかもしれないのかな、と思うと私自身悲しくなります。


シリアに近いヨルダン北部にあるザータリ難民キャンプで働いていた元協力隊の友人のエピソードでは、

キャンプで生活していて自分たちだって絶対に寒いだろうに、日本人のボランティアが寒い思いをして過ごしているのではないかと気遣い、「毛布を持っていてくれ。」と一歩も引かず、断ったらとても悲しい顔をされ、とても困ってしまった。

そんな話からも分かるように、シリア人はとっても心の優しい方が多いのです。


アラビア語には、

「自分も必要だけど、それをあなたに」

という言葉があるそうです。(なんという言葉か忘れてしまいました‥)

素敵な言葉ですね。



話は戻って、
その脊髄損傷になってしまった青年のお母さんとざっくばらんに話したかったですし、
もう会う機会も残っていなかったですし、彼のためにカフ(指の動かない彼のための便利グッズ)を作ってくれた日本人のデザイナーの芽衣さんと、お土産持参で訪問することにしました。

行くとやっぱりすごく喜ばれて、
いっぱい食べて、もっと食べて、と。

image1.JPG

ブドウの葉っぱ、キャベツ、ズッキーニの中にお米をとひき肉、野菜入れて、炊いたものです。
すっごく美味しかったです。


本当に、彼の母親の明るさが、この家族を救っているのだろうと、いつもいつも思います。
日本人看護師からの床ずれの対する医療処置や、私が伝えた自宅で出来る手のリハビリも、本当に忠実にしてくれていて、床ずれに関してはかなり小さくなってきていました。
お母さんのマメな努力が大きく影響していると感じています。


ご飯を食べ終わって、まったりしていた時にお母さんは、こんな話をしてくれました。

「シリアではね、家を2つ持っていたの。旦那は家電屋さんで働いていたの。車も持っていたの。結構良い暮らしをしていたのよ。
でも、戦争で、家もお店も車も、全部失ってしまったの。だから、逃げてきたの。
旦那は今仕事をするためにトルコにいて(ヨルダンでは難民は仕事を持つことが出来ません)、ヨルダンに入国ができないから、私たち家族で今月末には行こうと思っているの。トルコには一年しか住めないって分かっているけど、その時はまた新しい国を探すしかないわ。」


そんな話をしてくれました。
涙ぐむわけでもなく、お母さんが明るい感じでさらっと話してくれたのですが、
さらに大事な長男も車椅子に乗ることさえ難しくなっている今、
どんな思いでこの数年を生き、そしてこれからの生き方を決断したのかと思うと、胸が張り裂けそうになります。


もうあと1,2回しか会えないと思いますが、
この家族の一秒でも早い安定した生活と、幸せを祈らずにはいられません。

トルコの寒い所に行くらしく、次会ったときにはあったかい冬物を持って行こうと思います。

春が来たと思ったアンマンでしたが、一昨日夜から雪が積もり、冬に逆戻り。
昨日の大雨でもう溶けたかと思いきや、気温が低いせいかまだまだ雪が残っています。
先日、ザータリ難民キャンプにユニクロからの大量のリサイクル衣類が届いたというニュースを見て、この寒波に間に合って良かったと思うと同時に、それでもこの寒さを越せないで亡くなる方もいるのだろうなとも思うのです。

春が来て、平和も一緒にやってくれば良いのに、
一体彼らは、何度苦しい季節を経験しなければならないのでしょうか。

これから日本に帰国して、シリアのニュースを見る度に、このお母さんの屈託のない笑顔が毎回思い出されるのだろうなと思います。

まりもさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス