運用後、初めての発表です。
九州で「線状降水帯」が発生する可能性があります。

今夜からあすの明け方が特に危険な時間帯です。
暗い時間に川の氾濫や土砂崩れなど、
状況が一気に悪化するおそれがあります。
今夜どこで過ごすことになるのか考え、
日中のうちに安全な場所に身を寄せましょう。

線状降水帯は予測が難しく、
100~200km単位で雨雲が南北にずれる可能性がありますので、
周辺地域も警戒が必要です。
発生した場合は、予想雨量を上回る雨が、
一気に短時間で降ってしまうおそれがあります。

 

2年前の熊本の豪雨では、鹿児島県付近に発達した雨雲が予想されていましたが、

実際は熊本県と鹿児島県の県境付近に雨雲が停滞し、

球磨川が氾濫し、甚大な被害が出ました。

梅雨末期の典型的な気圧配置となっています。
北側には寒気、西からはモンスーン由来の非常に湿った空気、
九州の山岳に風がぶつかり、
雨雲が次々と発達する条件が揃ってしまいます。


今のところ、コンピュータの予想では、
過去の豪雨災害のときのようにずっと同じ場所に雨雲がとどまるパターンではありませんが、
一度風の均衡がとれてしまうと、
同じ場所から動かなくなってしまうこともあります。
けさは宮崎県内で1時間に120mm以上という猛烈な雨が解析され、
記録的短時間大雨情報が出されました。


すでに先行降雨で地盤が緩んでいる点も心配です。

また、同じくらい危険なのが、東北の太平洋側。
湿った風が東から吹き付けて、
山を西に控えた地形の福島や宮城、岩手県内は、
山沿いで雨量が増えるおそれがあります。
大雨警報レベルの降り方になるでしょう。

地盤が雨に強い地域ではありませんから、

九州よりも少ない雨量で、災害レベルに達するおそれがある点に注意です。

さらに、あすの夕方からは、
静岡を中心とする東海付近で雨雲が発達しそうです。
こちらも南西の風と南東の風がぶつかり、猛烈な雨が降るおそれがあります。
雨の降り方や自治体からの情報を確認できるように備えましょう。
関東もあす夜は、
きょう昼間よりもどしゃ降りになるかもしれません。
雨の強まるタイミングでは、
屋内の安全な場所で過ごせるように行動計画を考えておくとよさそうです。

日曜日は、北海道の太平洋側を中心に大雨。
本州付近はいったん前線が南に下がるため、
晴れ間の出る地域もありますが、
西からは新たな前線がのびてくる予想です。


九州は月曜日にはまた大雨になるおそれがあるため、
立て直しの大雨対策が必要になってくるでしょう。

警報レベルの大雨になる可能性が「中」になっています。

危険な気圧配置が続きます。


警戒がなかなか緩められず、長丁場になりますが、
生命を守るために、どうか備えと対策をお願いします。