これは海外生活が長いかどうかとはあまり関係ないような気がしながらも、一時帰国のたびに違和感を感じることなのですが…

アラサー、アラフォーなどという呼び方が定着し、最近は還暦に近い年代の方をアラ還なんていう言い方もあるとか!初めて目にした時はジョークかと思った。こういう呼び方、とっても苦手な言葉なのですが、Amebaのカテゴリーにもなっているほど浸透しているようなので、ここで私がとやかく騒いでいても仕方ない爆笑

でも、年齢や歳をとることを意識しすぎじゃないの?と帰国のたびに感じるのです富士山 

ファッション誌の表紙を見ても…



特集:
アラフォーに似合う「シャツ」と「Tシャツ」大研究!
似合うものって、人それぞれじゃないの?アラフォーに似合うって言う表現、とっても不思議。

40歳過ぎたら”潤す”までが洗顔です
…こういう「何歳過ぎたら、こうです」みたいな刷り込み(?)的コピー、雑誌だけでなくよく見かける。人を年齢別に一律化するような表現、日本特有な気がする。

今こそ!”首ほぐし”適齢期!
…おもしろいよねー、これも。肩こりなんかの体のちょっとした不調も人それぞれ。それを「適齢期」という言葉のもつ呪縛性で、読者の危機感をあおるのだろうか?

最後に、表紙右下にある「マリソル読者ってこうなんです!」。これは読者の既婚/未婚、雇用形態といったことから、普段スニーカーを履くか、どんなときに履くか、服をどんな頻度で買うかという、読者アンケートの集計。書かれたコピーをそのまま引用させていただくと「40代おしゃれ白書」だけれど、この年代の人はこの雑誌を読む、という細かいレンジがあるのも日本特有じゃないでしょうか。その雑誌を読んだことのない人でも、表紙を見ただけで「自分世代が読んでる雑誌なんだな」とわかるのは、ありがたいのかもしれないけれど、これも「何歳過ぎたら、この雑誌」みたいな一律化の押し付けのように感じてしまうのは私だけかな。

これまで住んできた国で一番事情がわかるのがフィンランドなのですが、「この年齢だからこう」といった表現は見たことがなかったな。雑誌に登場する読者や、町で見かけたおしゃれさん、みたいな人たちの年齢や表紙モデルの外見で、だいたいこんな年齢の人たちが読む雑誌なのかなと推測はできたけれど。人口の多い日本と、人口500万人のフィンランドの比較はあまり意味がないかもしれないけれど。ちなみにフィンランド人女性はEU内でお化粧と下着に使うお金が一番少ないらしい。そんなところも日本とは比較しがたい笑い泣き

と、雑誌の表紙を見ただけでも年齢を意識させられる表現が満載のこの国日本 それってそんなに大事なのかな。

私が年齢というものを意識したのは、数日前に年配の友人と会った時でした。ひょんなことからアメリカアメリカのミネアポリスの空港で知り合った日本人女性とは、もう十数年文通が続いていて。今年82歳になるこの方、私がどこの国に引っ越してもお手紙をくださり、勇気付けてくださるおねがい 帰国のたびにお会いするのですが、今回会ったのは都内の井の頭公園クローバー


子どもがちょろちょろ走り回るのでレストランには行かれず。お弁当を買って井の頭公園のベンチで食べようと、駅ビルで2つお弁当を買ったのに、お箸が1膳しか入っていなくてガーン

駅ビルまで戻るか、コンビニに買いに走るか、はたまた友人に先に食べてもらってから同じお箸の反対側を使って自分が食べるか?などと提案すると、友人は全く動じることなく、「ちょっと食べにくいけどいいわよね。」と割り箸を半分に割ったのです!さすが若い頃から登山をされているから、こうした知恵に長けている!割り箸は4:6くらいの比率で割れたのですが、長めに割れた割り箸の方をさりげなく私に渡してくれて。こうした知恵とさりげない配慮こそ、年齢を重ねるということだ!と、痛く感動したのでありましたお願い きっと彼女は、80代だからこうしなくちゃ、なんて思ったことないはず。

一時帰国のたびに「何歳だからこうしよう」「何歳だからこうじゃなきゃ」のような一律化を危惧する私ですが、友人のように知恵や配慮を重ねて行くことが年齢と共にできたるようになりたいと思ったのでした。