子どもと一時帰国するたびに(ってまだ2回目ですが)不思議に思うことがあります。日本人の親戚、友だち、道で出会った人の多くが「子どもには英語で話しているの?」と聞いてくることです。

ギリシャ人のお父さんと日本人の私の間に生まれた息子は、日本では外国人っぽく見えるようです。普段はスペインでヨーロッパの子どもたちと一緒にいることが多いので、いつもは息子の顔を見ては「やっぱり日本人だなぁ」と思うのですが、日本に帰ってくると途端に周りから「外国人の赤ちゃんだね。」と言われるのも不思議な感覚です。

でもそれより不思議なのは、言葉のこと。なぜ日本人の私が子どもに英語で話しかけると思うのか、夫の母国語が英語だったり、英語圏に住んでいるならまだしも、ギリシャ人の夫とスペインに住んでいるのに。叔母が初めて私の息子を見た時に「あら、私英語を話せないのよ。どうしましょう?」と言い(息子は当時8ヶ月でいずれにしても話せない…)、私はたまげてしまったのですが、その後かなりの人から同様のコメントをもらい驚いたのでした。両親が違う言語を話したり、海外に住んでいる場合の言語教育には様々なメソッドがありますが、うちでは一番広く適用されていると言われるOne Parent One Language (OPOL)という、両親が自分の母国語で子どもと話す方法を採択しています。

こういうリアクションに遭遇するたびに思い出すのが、日本にいたフィンランド人たちが「日本人は白人イコールアメリカ人だと思ってる!」と憤っていたことです。私は憤ることはありませんが、外国人の見かけイコール英語を話す、という図式が多くの人にあるのかな、と思います。

今回の一時帰国中、近所のスーパーで小さな男の子が話しかけてきてくれたのですが、「ねぇ、赤ちゃんどこで生まれたの?英語の顔だね。」と!う〜む、英語の顔ってなんなんだ?ギリシャ人と日本人のハーフの我が子が英語の顔をしているとは!屈託のない小さな男の子の言葉を微笑ましく思いながらも、おもしろい表現だなと思ったのでした。

ちなみにヨーロッパでは親が母国語で子どもに話しかけるのが当然のようなところがあり、こうしたリアクションは皆無で「あなたは日本語で、ご主人はギリシャ語で話しかけてるんでしょう?二つとも難しそうな言葉だけれど、あなたの子どもは両方話せるようになるから、ラッキーだね!」と言われることがほとんどです。

「英語の顔」の我が子は、将来日本で英語で話しかけられたりするのかな。ギリシャ語と日本語だけでなく、英語も話せるようになっておかないとなぁ。