ここ最近、一日一冊ペースで読書して居るワタクシ。

時間の使い方が下手糞なもので、一つの事に熱中してしまうと他の事を一切し無くなる。

結果後で困るのは自分なのだけど、バンドや音楽の事から離れたいと思う時間は遠慮無くそう過ごすようにして居るの。

その一つが読書。

因みに、周りから「そんな速度で読んで内容が頭に入るの?」なんて訊かれるくらいの速読であるお陰で、余り支障を来さずに済んで居るって訳。

 

本日はキノコホテルのリハーサル。

何時も使うスタジオで偶にアーバンギャルド一行と遭遇するのだが、今回もドアから漏れる音を聞きつけて松永天馬とよこたんぬが覗きに来てびっくり。

「何かキノコっぽい音が聴こえるなと思って」

その時合わせて居たのは未発表の新曲(歌詞や旋律が付き次第何時でも実演出来るのだが、ワタクシがダラダラして居るので一向に目処が付かない)

だったので更にびっくり。

 

帰りに何時も書店の前を通るのだが、平積みされた此方に目が釘付けになりそのままお買い上げ。

んで一気読み。

 

梶芽衣子さん。

ワタクシが昭和文化に興味を持ち出した10代の頃、最初に憧れた方だった。

同じように昭和やらGSやらに傾倒する後追い世代の仲間内では、「野良猫ロック」や「さそり」を一通り観て居るのは当たり前。

まだDVDで全部観れるような時代でも無かったので、特集上映を観に行ったり新宿のTSU○AYAでビデオを借りまくったりして居たもんだわ。

だから当時、リアルタイムで売れて居た女優や映画の事を全く覚えて居ない。

 

此方の自伝には、デビューのきっかけやら大御所俳優たちとのエピソード、撮影の裏話だけで無く、自分の企画を横取りされた口惜しい思い出など、知られざる秘話なども赤裸々に語られて居り、当たり前だが結構ご苦労もされたんだな、と云う印象。

「自分は役者に向いて居ない」と云う記述が何度も出てくるのだが、

自問自答しながらも積極的に道を切り開いて行く逞しさを見るにつけ、女性が活躍しづらかった時代において天性の資質をお持ちだったとしか思えないわね。

それであの美貌。

 

因みに、生の梶芽衣子さんは一度お見かけした事があるの。

あれは何年前だっただろうか、今は無き銀座シネパトスで行われた特集上映で「無宿」や「曽根崎心中」を観た時。

ご本人が舞台挨拶で登場されて、タランティーノからオマージュを受けた経緯など色々お話して下さった記憶がある。

当時キノコの撮影を時々手伝ってくれた若い男子が誘ってくれたのだが、帰りに近くの沖縄料理屋で飲みながらずっとお初と徳兵衛のクライマックスのシーンでの台詞の掛け合いを真似して盛り上がったものだわ。

(それは二人の間でちょっとしたブームになり、現場で顔を合わせるたびにそれで遊んで居た。あいつ元気にして居るかしら)

 

 

モットーである「媚びない、めげない、くじけない」を体現して来た梶芽衣子さんだけど、これを全て実行するのは結構大変。

ワタクシ自身は「媚びない」事に対しては割と自信があるけど、これにしたって「弱い自分を隠す鎧」としてでは無くて「強さの裏付け」としてでないと美しく無いのである。

 

しなやかに、強かに、年齡を重ねたいものでございます。

 

 

ではまた

ご機嫌よう。