まだ見送りたくない。 | 真理ジャーナル~c´est la vie~

まだ見送りたくない。

先日、来日しているフランスのママン、ローリーンとパフェを食べに行った。

四国へ一人旅に行っていて、東京へ戻ってきた彼女がパリに帰る前に、どうしても会いたかった。

彼女から東京でパフェが食べたいって言ったから高野フルーツパーラーに連れて行ったのに、「気になってる男性から連絡が来なくて憂うつだからパフェ食べたくない」とか言っちゃう彼女。
メニューめくって、パフェとワッフルを結局平らげちゃう彼女。
「落ち込んでる時に誰かと何かを食べるって素敵ね。メルシーマリ!」とさらっと言っちゃう彼女。
「これでお酒とタバコを少し体に入れればパーフェクトよ。ゴールデン街が落ち着くからこのあと連れてって」と、案内したのに、途中シネコンのポスターを見かけたら「私これ観たい!」とズカズカと映画館入ってジャージーボーイズを観ちゃう彼女。

「次は必ずマリがパリに来てね。早く会おうね」
と何度も私の頬にキスをする彼女。

「マリ、時間とお金があったら、素敵な男と旅に出るべきよ。直島に一度はいってみるべきよ。直島は素晴らしいわ。」
と、日本の観光案内をしてくれる彼女。


「またね、バイバイ」とハグをしてから、雑踏の中に消えていく彼女。一度も振り向かない彼女。

私のフランスのママンでもあり、モンアミでもある、ローリーン。

私は確信してしまう。この人はずーっと私の大切な女性友達でいるんだろうな、と。

彼女が見えなくなっても、私は彼女の空気につつまれていて、私は上手く、大都会東京の雑踏に足を踏み入れる事が出来ないでいる。




どこかに行ってしまうのは簡単だ。
行ってしまう誰かを見送り、また来た道を戻る事は、いつだって少しだけ、悲しい。



そんなローリーンとパフェを食べて、フランスに帰るローリーンを見送った同じ日、お世話になった女性監督が亡くなったと連絡がきた。

まだ、見送りたくない、

かたくなな思いで、そんな反抗心だけがささくれ立つ。




吉田真理