虹色の花束みたいな、キミに。




    家に着くと、ちょっと待ってねと花束を背中に隠した。見慣れたソファーに丁寧に案内され腰を下ろすと、マレが真っすぐに少し恥ずかしそうに言った。


 「マキ、いつもありがとう」


 十歳になった途端に名前で呼ばれるようになったこともどこか可笑しくてびっくりもしたけれど、こんな未来が早々に来たことにもけっこう驚きだった。思いがけない展開は物語をおもしろく、そして溢れ出したら止まることのない感動を運んでくれる。大きくなった体をぎゅっと抱きしめた。


 「ありがとう」


 何度も、何度も。


 抱きしめた。


 希望の花束を抱えてまたわたしは走り出す。


 その一歩は大きく、力強く、やさしかった。




    おわり