虹色の花束みたいな、キミに。




    あっという間に季節は桜色に染まる。舞い上がる花びら一つひとつの中に十年という月日を愛おしく想う。そして、今年もまた胸を撫でおろした。


 「ねぇ、はなやによっていい?」


 「いいけど……どうして?」


 「ひみつ」


 いつもと変わらない帰り道の途中。マレに言われるがままにふたりで花屋へと入っていく。春色がめいっぱいの店内に流れるピアノの音に合わせて、マレの指先も踊っていた。お買い得コーナーには、黄緑がかった白色の珍しいガーベラがコチラを向いて微笑んで、その匂いはわたしの記憶を大きく揺さぶった。


 「マキ、なにいろがいい?」


 「うーん、しろかな」


 「わかった」


 「すみません!じゅっぽんください」


 「一本あまるから、これおまけね」


 「ありがとうございます」




    つづく