虹色の花束みたいな、キミに。
雲ひとつない鮮やかな青色と、温もりを呼ぶ黄色っぽい白色。はじまりの朝はこんなにも優しかったのかと今更に思い知る。
「ママー!ドン!」
両手を広げて目を輝かせているアリを、この日差しのように温かく包み込むマレの眼差し。一人増えただけであまり変わらない光景にすべてが緩んでいくのが分かった。
「よーいドン!」
真っ直ぐに胸の中に飛び込んでくるマレと、ルンルンと首を振りながら、今にも転びそうなアリが後に続いて順番に抱きしめた。幸せはやっぱり外にはないらしい。幸せはわたしの中にある。今ここにある。それがとても安心だった。
わたしを救ってくれるものもいくつもあって、必要な時にちゃんとやってきてくれるのだから大丈夫。憂うつな春風を思いっきり吸い込んで、憧れの真っ青な空をまた見上げて。沈む真っ赤な夕陽を並んでしばらく眺めていられたらいいと思う。疲れたら木陰で休んで、少し前のページをぺらぺらとめくってみるのもいいかもしれない。
つづく


