いつものように先生が笑顔で迎えてくれた
半袖のわたしを見て寒くないのかと
先生が心配してくれた
「雨が上がって外は暑いくらいですよ」
夕べから病院にいるから分からなかったと言って
確かにちょっと先生は眠そうだった
診察台に横になりエコーをした
随分と大きくなったなぁと思った
「1000グラム超えたね」
「あっ、今蹴ったよ」
先生が嬉しそうに言うのがわたしも嬉しかった
最初に会った時にマレのことを
少し先生に話していた
「どんな子でも産みます」
そう言って出生前診断を断った
たくさんの妊婦や赤ちゃんに関わってきただろう
医師たちはきっとどんな命も尊いと
身をもって知っているはず
それはマレを産んだときにも
医師や看護師さんから十分に伝わってきて
その想いに救われたことが今思えば何度もあった
だから先生が嬉しそうにいつも
エコーをしてくれるのがなんだか嬉しかった