「灼熱の魂」('10) | Marc のぷーたろー日記

「灼熱の魂」('10)

灼熱の魂 [DVD]/ルブナ・アザバル
¥3,990
Amazon.co.jp

亡き母の遺言に従い、父と兄を捜す旅に出た双子の姉弟を描いた劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲「焼け焦げるたましい」を原作としてカナダ映画です。主演はルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン、マクシム・ゴーデット、共演はレミ・ジラール、アブデル・ガフール・エラージズ他。

Wikipedia「灼熱の魂」

衝撃的な内容ですし、「レバノン内戦」を1レバノン女性の視点から描いたストーリーはそれなりに観応えがあります。作品として高く評価されたのも納得できます。

でも、どこかしっくり来なかったんですよね…。

時間経過が非常に分かりにくいという演出面での拙さも気になりましたが、それ以上に、あまりに感傷的過ぎて、題材の深刻さに対して「不謹慎」に見えてしまったのです。一種の「露悪趣味」的不謹慎さというか…。

それに、一貫してヒロインが「わざわざ」苦難の道に進んでいるようにしか見えないのも共感を妨げているのです。そもそも彼女が「無分別に」妊娠してしまったことが全ての元凶なわけですし、その後の彼女の言動も、感情としては理解できるんですが、あまりに短絡的で浅はか過ぎますし。とにかく、徹頭徹尾、主人公の思慮の足りなさが気になって仕方なかったのです。

観て損したとか、ダメ映画だとか、そういうことは一切ないのですが、違和感ばかりが強く残る作品でした。