加工精度を確認するんです。
墓地でお墓を見学するときは石材店の案内がないと「ただ見てただけ」になりますよ
前回の記事で「石の坊」さんから写真をお借りして私がいちばん重要視するポイントを赤線で囲んでおきましたが皆さん分かったでしょうか?
↓↓↓こちらが青山霊園で建てられたお墓です。
それでは解説していきます。
重視するポイントは「加工精度」です。
赤線で囲ったところの加工精度が気になる箇所なんですよ。
色の違う石を上下で張り合わせて左右前後をぴったりと密着させる。
これが意外と大変なのです。(後から説明します)
実際のところわざわざインパラブルーとアーバングレーを貼り合わせる必要も無いのですが施主はデザイン的に拘られた箇所かと思われます。
違った石を上下二段に貼り合わせて左右前後をピッタリにするってのはけっこう難しいという理由は「一枚石」だからです。
墓石のパーツは基本的に実際の寸法より少し大きい
既にお墓を建てた人、石材店からもらった設計図を見て実際にお墓の寸法を測ってみてください。
少し寸法は大きいはずです。(数ミリ程度)
もしくは石材店に行って展示墓の寸法を測ってもらって確認してもいいでしょう。
笠石の幅で表現します。
3.0尺、3.3尺、3.5尺、3.8尺、4.0尺、4.5尺、5.0尺、です。
最近はメートルで寸法を記入してあることも多いです。
仮に笠石が1000と書いてあれば1mの事です。
測ってみましょう、少し寸法が大きいはずです。(数ミリ程度)
写真のお墓はインパラブルーの寸法をアーバングレーの寸法とピッタリにしなくてはいけないわけで、数ミリ大きかったり小さかったりしたら話になりません。
要するに「逃げが効かない」から加工精度が求められるのです。
(石が分割であれば目地で調整できる)
上下の貼り合わせを見て、(加工確認)
左右の通りと研磨を見て、
納骨はどこからするのかを確認し、(構造確認)
彫刻文字を見て、(良い字体か?彫刻は上手か?を確認)
花立水鉢香炉を見て、
最終的には墓石全体のバランスを見ます。
私は石の坊さんが建てられた青山霊園のお墓の写真は上記のように見ます。
皆さんはどういうところを重視して墓石をみますか?
下手な中国工場だとかなり心配ですよ。
基本的に安い中国工場は加工が下手なので仕入れてから修理しなくてはならないケースも多いのです。
ところが修理不能な箇所もあります。
それを職人が上手にごまかしてお墓を建てます。
建ったお墓はそれなりに立派に見えるので
笠石が曲がっていたり
目地がかなり大きくなったり
蓮華ややくものの加工が下手くそでも
施主は気が付きません。
しかし青山霊園のお墓のようにピッタリに加工しなくてはならない設計図もありまして、こちらのお墓は比較的小さいと思われるので出来たと思われますがそれでも下手な中国工場だと不安です。
もし貼り合わせ部のインパラブルーの石が大きかったら、、、
自社で磨くか削るか、修理しなくてはなりません。
もし小さかったら、クレームを申し立てて作り直しです。
が、石によっては合わないこともあります。(作り直して実際の石と合わないことはあり得るんです)
もし大きなお墓でお客様からこのような加工を希望されたら、
私は簡単には受けれないですね。
石の坊さんはいつも「安物を売ってるのではなく水準以上のものを激安で販売してる」とブログにかかれています。
このお墓の加工など下手な中国工場になんて任せられません。
私が営業マンでこの青山霊園のお墓のような加工を希望されたら、いったん会社に帰って上司に出来るかどうかを聞きますね。
とにかくピッタリの寸法に加工しなくてはならないのです。
少し大きめにパーツを作り研磨でピッタリの寸法にしなくてはなりません。
7~8回研磨して仕上げなくてはならないですからね。