才数について分かったと思いますが、石には等級もあることを知ってください
才数(切数)を知られる事は石材店にとって都合が悪いという記事を書きました。
墓石の才数計算のやり方
さらに「才数」だけ知ってるだけでは判断基準にはならないという記事も。
才単価の安さだけでは決められない理由とは?
その理由の一つ、「石の等級」について、もう少し詳しく今日は話します。
ネットで調べないと石に等級があるなんて分かりません。
石材店から出された見積書に、「クンナム」と書かれていたとします。
インドの黒い石で、東日本では人気の石です。
インターネットで調べてみるとクンナムには色々種類があることがわかります。
クンナムE、クンナムQ4、クンナムS、クンナムK、クンナム8、本クンナム、グランドクンナム、クンナムイースト、クンナムEE、クンナムKEE、クンナムK2、クンナムJ、クンナム9/6
ちょっと調べただけでもこれくらい出てきます。
あなたの見積もりに書いてあるクンナムはどれですか?
インドのクンナムというところで採石されるのでクンナムと呼ばれるのですが、かなり離れたところで採石された、「なんちゃってクンナム」もあるそうです。
ある石材店さんは実際に石材卸業者から「今度はこの石をクンナム○にしました。少し価格が安いです」と言われた事があるというのです。
この石って本当にクンナムなんでしょうか?
「インド産クンナム」という表記がいちばん多くて、私が思うに「クンナム」とだけ書かれた見積書で最高級品を使うのかな?、って思うのですよ。
私だったらクンナム○を3種類ほど見積もりに書きます。
この方がお客様は信用してくれるんじゃないでしょうか?
ネットで検索すりゃすぐ分かる事だろうし。
等級どころか「なんちゃってクンナム」までクンナムの仲間に入れられてるんですから、「クンナム」だけでは「どのクンナム?」って聞きたくもなりますよね。
アーバングレーには6つ等級があると、
アーバングレー最新情報/2014年秋
能島社長は書かれています。
でも①~⑥のどのアーバングレーを使っても、見積書に書かれるのは「アーバングレー」です。
アーバングレー①とかアーバングレー⑥とか見積書に二つ価格を書く事はありません。
いつも使ってる等級のアーバングレーの価格を書くわけです。
A社は最高のアーバングレー①を使って見積もりが150万円でした。
B社は最低ランクのアーバングレー⑥を使って見積もりが130万円でした。
知識のない消費者はA社と契約するのでしょうか?、それともB社と契約するのでしょうか?
どちらも見積書には「アーバングレー」としか書いてないのですから。
国産石を考えてみましょう。
「庵治石」と「大島石」はHPに等級を書けと言う方が無理かもしれません。
庵治石細目がいちばん良い等級ですが、細目も細分化されており良く聞くのが「大丁場のもの」という言葉です。
細中目と中目もあって見積書に「庵治石」とだけ書かれていた場合は「細目」でない事は確かでしょう。(細目だったら、ただ庵治石とは書かない)
庵治石を使おうと思う人は「中目」にはあんまり興味が無いと思うのですよ。
だから「細目」とか「細目極上」と書かれて石を紹介してるHPもあります。
「大島石」も見積書に「大島石」とだけ書かれていたら少なくとも「特級」ではないでしょうね。
庵治石や大島石を使おうと思う人に対しては石材店も等級の話は絶対しています。
問題は、「等級偽装」です。
石材店が石を見る目がないのか?
商社の言うとおりに販売したのか?
意図的なのか?(特級の価格で1級や2級の石を販売したとか、細目の価格で細中目を販売したとか)
安い見積もりの場合は注意してください。(判断は他社の見積もり価格)
真壁は小目と中目がありますが、これは消費者が見ても区別がつきます。
真壁とだけ書かれてたら「小目ですか?中目ですか?」と聞けば良いです。
中国加工の場合はあまり価格差はありません。
中国石の場合
明確な判断基準はありませんが見積書がかなり安い場合は注意が必要です。
仕入れ価格が高い工場と安い工場での判断ですね。
加工が上手な工場は良質の石を使うし安い工場は安い石を使うのが一般的ですので、それで判断するしか無いですね。
それと歩留まりが良いか悪いかも判断基準で、これは石目があってるかどうかなんです。
ネット販売の会社などはわざわざ高い工場から仕入れる訳がないですよね。
価格を下げる為に最低限、墓石の形になっていればいいのですから。
中国の石だって流れ模様や黒や白のダマがあって使えない原石があるんですが、薬品をつかったり、ある処理をしたら消えてしまうというのだから驚きです。
ようこそ 墓所・墓石の鈴木商店ホームページへ
真壁の丁場の石材店、鈴木商店さんのHPです。
いちばん下を見て下さい。
品物レベルではない石を製品にする時にはいろんな手段を使います。
安い販売価格は安い理由があるんですよ。
(ただ、石の坊さんは通常のものを激安で販売されてますから安心してください。激安とか安いのは理由があるという記事を書くときには、必ず石の坊さんは例外だと書かなくてはならないのでたいへんです、笑)
誰でも石材店を経営してたら利益をあげたいと思うのは当たり前だが
経費がかかる石材店は従業員の数が多くて広告にお金を使う(TVCMや、大量のチラシを新聞に入れたり)石材店です。
反対に経費がかからない石材店は店舗が無く従業員も必要最低限で広告にもお金を使わない石材店です。
(両極端ですが)
前者は後者を「ブローカー」だと言うし後者は前者を「ボッタクリの大きな老舗石材店」だと言います。(後者が経費をかけたら勝負になりません、前者は知名度を上げるために広告費にお金を書けるのは有効です)
この戦いは一生続く事でしょうね。(笑)
同じ仕入れ価格であれば前者の方が見積もり価格は高くなります。
ということは見積もり価格を同じ程度にするには前者は安い工場から仕入れなくてはなりません。
同じ土俵の上で戦うには、価格がほぼ同じでなくてはなりません。
十分な説明も無しに「価格」だけで負けたら悔しいですから。
たた前者がいつも安いとこから仕入れているわけではありませんよ。
商売上の付き合いで逃げない上客が前者にはいますから、そういう場合は高いところから仕入れます。
となると、「石の等級」があることは知られたくないわけです。
もっと分かりやすく言うと、同じ石でも高い石と安い石があることを知られたくないのです。