どんなに凄い構造や施工でも地盤が陥没したら全く効果はありません
２００５年８月１６日福井市の福井市足羽山西墓地公園内で大規模な陥没が見つかった事例を紹介します。
深いところでは３０ｍも陥没したそうです。
当時の新聞記事です。
１６日早朝、福井市足羽山西墓地公園内で大規模な陥没が見つかった。直径、深さともに約３０メートル以上に達し、この付近にあった墓石７０基から１００基が崩れ落ちたり倒壊するなどの被害に遭った。福井市近
辺では前日（１５日）の午後から深夜にかけて激しい雨が降り、この日だけで４１．５ミリの降水があったこと、さらに１２日にも６０．５ミリのまとまった雨
が降っていたことが原因とみられ、１５日の深夜に崩落が起こっていたものとみられる。この西墓地公園には約１万７，０００基の墓石がり、お盆の１５，１６日には多くの人々が墓参に訪れることが予想されていただけに、日中の事故でなかったことが不幸中の幸いであった。
陥没地の拡大写真
こんな状態ではお骨がどのお墓のものであったか判断も出来なくなります。
耐震構造・耐震施工についての主観的考え
あるゲルシートのうたい文句は「震度７でも倒れない」
しかし震度７の大地震の場合、地面に亀裂が生じる事もあるのでいくら万全の対策をしていても効果が無い場合も。
上の写真、福井県足羽山の陥没は地震ではなく大雨が原因ですが、こういう状況になった場合はどんな対策も無意味になります。（地震の場合は断層があるので、断層にもよりますが数十センチも地盤が下がることもあります。そうなるとお墓は倒壊するでしょう）
耐震施工において効果が発揮すると考えられるのは震度５あたりではないかと思います。
地面に亀裂が入る可能性は震度５でもあるのですから、お墓の施工を万全にしても地盤がどうなるかまでは予想もつきません。
セメント工法の場合は２００７年の能登半島地震、震度４で私の町内のお墓が竿石がずれたという確認が出来ました。
新しいお墓でもズレてるケースもあり、同じ墓地でも場所によって大きく変化したと考えられます。
ボンドを使っていればほとんどのケースは回避できたと思います。（古いお墓は除いて）
震度５の氷見市でボンド工法のお墓がまったく影響がなかったと確認できました。
お墓にホゾをつけてボンドで接着した場合どこまでの震度に耐えられるのでしょう？
これに答えられる石材店はないと思います。
震度６以上の地震が来た場合は地面に亀裂が入る事もあるので、どんなに凄い地震対策でも無意味になってしまします。（亀裂が入らない場合はお墓に影響はありませんが、地面に亀裂が入りませんと言い切れません）
耐震対策にはどのような効果があってどのくらいの震度に耐えられるのかを詳しく説明して行うには良いと思いますが、強引に耐震対策を勧めるのは良くないと思います。
耐震構造・耐震施工を非難しているのではありません。
耐震構造・耐震施工を勧める理由をきっちり消費者に説明する事が大事だと思います。
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