やっぱり富山のお墓の構造は進んでると思います。
相談者の方から設計図と見積書を見せてもらって診断しているのですが、「背面」からの図面がほとんどありません。
私はお墓は構造が一番大事だと思っています、お墓本体も舞台・外柵も。
背面の図面が必要な理由は地上カロートの納骨室が貼り合わせなのかくり抜きなのかを見るためです。
地上カロートにおいて一番石を使う箇所が納骨室(唐戸、カロート)なので、そこが貼り合わせかくり抜きなのかで大きく価格に差が出てきます。
それを調べる為に背面の図面が必要なのですが、まず背面の図面を最初から見せてはもらえません。石材店側が提出していないんです。
墓地へ行ったらどこを見ますか?
みなさんは墓地へ行ってお墓を見る時にどこを見ますか?お墓の大きさでしょうか?
お墓の石のいろでしょうか?
たいていの場合はこの2点だと思います、違ってませんよね。
私の場合はお墓の「後ろ」を見ます。
どんなに高い石を使っても構造がダメならそれは良いお墓とは言えないと思います。
お墓の後ろを見るのは納骨室が貼り合わせかくり抜きかを確認するためです。
関東の霊園やその他の地域のお墓を見るたびに
「やっぱ富山のお墓の構造は凄いなあ」と思います。
元々地下カロートが主であった関東ですが、最近の民営墓地などは地上カロートのお墓が多く建てられているようです。
いつもお墓の後ろを見るのですが、ほとんど貼り合わせです。
中には墓地の構造上、くり抜きを設置できない箇所などがあって仕方がない場合もありますが、くり抜きの納骨室が少ないという印象です。
その点、富山の納骨室の構造は素晴らしいなと感じます。
くり抜き型の納骨室と貼り合わせの納骨室
納骨室を背面から見た写真で、ピンクで囲んだところが貼り合わせの箇所です。
くり抜きの納骨室
後ろから見てもつなぎ目はありませんよね。
みなさんはどちらの構造でお墓を建てたいですか?
質問するまでもないと思いますが、くり抜き型でお墓を建てたいと思われる方のほうが多いでしょう。
確かに最近のボンドは接着力が凄くて、時には壊さないと解体できないくらいなのですが、一体型のものにはかなわないと思います。
例えばアーバングレーなど、インドの硬い石を使用してくり抜き型の納骨室のお墓を建てたら、ほとんど修理する事がないのではないでしょうか。
外観は風化に強いし、構造も良いと言うことで自信をもってお客様にお薦めできます。
さらに進化した構造・・根太唐戸一体型
まだまだ納骨室がくり抜きでない地域がある中で、富山のお墓はさらに進歩しております。
根太唐戸一体型です。
お墓の各部分の名称
各地域によって名称の呼び名は違うかもしれませんので、私の記事に出てくる用語はこちらで確認願います。
通常のくり抜き型納骨室のお墓
こちらは一般的なくり抜き型の納骨室のお墓です。
とは言ってもまだまだ貼り合わせの納骨室のお墓は建てられてるので、これで十分なんですが。。
こちらは根太と唐戸が一体となったお墓で、納骨室が完全に一つの大きな石をくり抜いて作られています。
黄色の丸で囲んだ箇所を見てもつなぎ目がありません。
ここまでの一体型は全国どこを見てもないんじゃないかと思います。
もし、「見たよ」っていう方がいらっしゃいましたら、
素直に謝ります。はい。
中には笠石までもが一体になったお墓もあります。
さらに、お墓の上三段(竿石、上台、角台)までもが一体型のお墓もあります。
機会があればご紹介しますね。
いまの御影石は100年はらくに持ちます。
そうなるとお墓の構造さえシッカリしていれば100年はお墓を建てる必要がなくなってきます。
私は数年前に平成2年に建てられたお墓を建て直した事があります。前のお墓を建ててから20年も経っていなかったのです。
実際はお墓のリフォームが必要だったのですが、数十年後にまた修理が必要だったのと基礎に致命的な欠陥があったことが分かって、結局は立て直す事になりました。
そのお墓は納骨室は貼り合わせでした。
直接の理由は基礎工事にあったのですが、基礎工事をやり直すとなるとお墓を全て解体しなくてはなりません。
お墓を解体して
納骨室をくり抜き型に変えて
お墓を組み上げる
これだけでもけっこうなお金がかかります。
それで新しくお墓を建てなおすことになったわけです。
みなさんがお墓を建てる時に一番考えなくてはならないことは
100年以上建てなおす必要がないお墓を建てること。
ではないでしょうか。
石材店との商談においては、この事を十分に伝えるといいと思います。