病気になったりすると
空の色が変わって見えると
言うけれど、

お店から出て見上げてみた空は
いつもと何ら変わりない色だった。

歩いて、歩いて、
家の前まで来た。


「ママーーーーーーっ!」

公園帰りのパパ、れいか、かんげんが
遠くに見える。

れいかが、私に向かって
はじける笑顔で走ってくる。

パパも笑っている。
いつからこんな優しい顔をするように
なってたんだろう、と思った。

こんな時は、
ただひとりの女性になって、
主人の胸ででも泣きたいけれど、

やっぱり思いっきり笑顔のママになって
両手を広げた。

飛び込んできた娘と、
遅れてたどり着いた息子を
抱きしめながら、

この子たちのママは
私ひとりなんだ、
という喜びと怖さに、心がふるえた。

絶対治す!と誓った。