赤の広場で ソチを支えた日本企業 (2014.3.4 03:44)
ソチ五輪閉会式。壮大なピアノパフォーマンスとともにロシア随一のピアニスト、デニス・マツーエフが奏でたのは、日本中を感動させたあの名曲だった。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。女子フィギュアで、浅田真央が涙の演技を見せた楽曲。ロシアフィギュアスケート界の重鎮で、振り付けを担当したタチアナ・タラソワが、ソチの大一番に臨むため、浅田と一緒にこの曲を選んだ。
熱戦の最後を飾るショーに披露された粋なサプライズに、誰よりもうれしかったのはきっとこの2人だったに違いない。
実は、マツーエフが使用したグランドピアノを提供したのは、日本のヤマハ。数日前から日本の担当者がソチ入りして、ひそかに準備を進めた。日本人が生み出した精巧な技が、浅田のトリプルアクセルと同じように4年に1度のスポーツの祭典で世界を魅了した。
ソチには、パナソニックも各競技施設に、大型映像装置や放送機器を提供した。演技終了後、観客はパナソニック製の鮮明な画面を見つめ、成績が表示される瞬間に一喜一憂した。
近年、ロシアでは韓国企業に押されがちな日本企業。結局、大会では韓国の金妍児(キム・ヨナ)に負けてしまったけど、観客の記憶に残ったのは浅田の演技。ソチでは、日本企業も存在感を示していた。(佐々木正明)