トリプルアクセルを封印しても、浅田真央選手が強いのはなぜ? | 浅田真央さん&浅田舞さん 応援ブログ

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Q:トリプルアクセルを封印しても、浅田真央選手が強いのはなぜ?
A:出来栄え点の高さや表現力など、ほかの得点源があるからです。

 フィギュアスケートの全日本選手権で、浅田真央選手(中京大)が23日、2年連続6度目の優勝を果たした。

 今季はここまで、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を封印しながら、グランプリ・シリーズの中国杯とNHK杯を制し、ロシアのソチで行われたグランプリ・ファイナルでも4年ぶりの優勝を遂げた。

 トリプルアクセルを跳ばなくても浅田選手の得点が高いのには理由がある。スピンやステップなどそれぞれの技術要素がどれだけうまく出来たかを表す「出来栄え点」や、主に表現面を見る五つの「構成点」で、他選手を上回る評価をもらっているからだ。

 例えば、国際スケート連合(ISU)管轄のグランプリ・ファイナルのフリー演技。「白鳥の湖」を舞った浅田選手の構成点は、曲の解釈、身のこなし、振り付け・構成、スケート技術、つなぎの要素の5項目すべてで8点台で、これは参加6選手中ただ1人だった。

 技術面では、冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)で、高い出来栄え点をもらった。続く三つのジャンプでは小さなミスが続いたが、得意のステップシークエンスでは9人の審判中5人が最高評価「3」を与え、出来栄え点だけで1.8点をもらっている。それぞれは小さなプラスだが、これが積み重なると、大きな得点源となり得る。



 出来栄え点、そして全体の流れも見る構成点については、当然ミスが少ない方がプラス評価につながりやすい。ジャンプで大技を入れる場合、決まれば高得点となるが、回転不足や失敗に終われば、他の得点源にも影響を与えるリスクを負ってしまう。大技も、安定度が肝要ということだ。

 2010年バンクーバー冬季五輪で指導した金キム妍児ヨナ選手(韓国)とたもとを分かち、現在は羽生はにゅう結弦ゆづる、フェルナンデス選手(スペイン)らを指導するブライアン・オーサー・コーチ(カナダ)は、「新採点基準の攻略の鍵は、出来栄え点(をいかに稼ぐか)にある」と語っていた。バンクーバー五輪後のISUのルール改訂もあり、男子は大技の4回転ジャンプに挑む選手が増えているが、それでもミスをしないことが高得点につながる図式は変わらない。

 スケーティングやジャンプの素地を固めることを優先してきたという浅田選手は今後、トリプルアクセルへの挑戦に意欲を見せている。今季復帰を表明した金選手との対戦も視野に、持ち味の強みをどう得点につなげていくのか、見守りたい。

 (編集委員 結城和香子)

(2012年12月27日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qaetc/20121227-OYT8T00461.htm?from=tw