『巨神(ジャイアント)ゴーグ』の放送が開始されて、本日で40年となります。仙台では、『ダグラム』『ボトムズ』に引き続いての仙台放送での遅れネットでの放送でした。
本作は、安彦良和氏が原作、監督、キャラデザ、その他諸々を手掛けた作品でして、放送時には既にほぼ全話が完成していました。しかし、スポンサーの「売れるコンセプトが見つからない」との判断により、放送は半年先送りになってしまいました…。まあ、確かに従来のロボットアニメに比べれば、地味な内容で売りに乏しい事は否定しようがないんですけどね…。
太平洋上に浮かぶ絶海の孤島オウストラル島に流れ着いた主人公の田神悠宇は、そこで謎の怪物(クラゲ型メカ)に襲われるのですが、そこへ突如現れた青色の巨大ロボットであるゴーグに助けられるのでした。そのゴーグは言葉こそ発しませんが、悠宇との意思疎通が可能で、ヒロインのドリスやその兄のトム、謎の男「船長(このキャラデザは後に『UC』のジンネマンへと流用されたそうです)」らと共にキャリアビーグルに乗り込み、オウストラル島の秘密を探ろうとする巨大企業「GAIL」と闘いながら、冒険の旅に出る事に。
で、何故悠宇とゴーグが意思疎通が可能なのかというと、実は、遥か昔にゴーグ等のロボット(ガーディアン)と共に、調査の為に地球に降り立った異星人の一人マシウスが地球人の女性と恋に落ち、その子孫こそが悠宇だったのでした。何だか『バビル2世』みたいな設定ですね…。
サブメカデザインを手掛けたのは永野 護氏と佐藤 元氏でして、永野氏は本作で頭角を現す一方で、安彦氏があまり詳しくないミリタリー方面のアドバイザーも兼ねていました。一方、佐藤氏はこの『ゴーグ』への思い入れがよっぽど強かったらしく、ボンボンで連載された『ロボロボカンパニー』では、放送終了後も長きにわたってゴーグと悠宇たちを登場させ続けていました。
商業的には、タカラからSAKでゴーグとマノンタイプの2種が1/100スケールで発売されたに留まり、しかもマノンタイプは、そのほとんどがゴーグからの流用でした…。また、佐藤元氏デザインの『Qロボゴーグ』もキット化されましたが、これは現在の『SDガンダム』にも通じる物でした。しかし、やはり売上は芳しい物では無かったらしく、次作の『機甲界ガリアン』を最後に、タカラはロボットアニメモデルから手を引き、アメリカのハズブロと手を組んで『トランスフォーマー』の玩具展開に全力投球する事になるのでした…。