第22回(Final)三浦久 年末ライブ in東京 | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

            第22回(Final)三浦 久 年末ライブ in東京
 
               ― 友よ、その答えは風に舞っている―
 
 
              2015.12.18(金)  19:00  マンダラ2


        昨年12月、舟木さんの新橋演舞場公演夜の部がお休みの18日、吉祥寺のライブハウ
     ス「第22回(Final) 三浦 久 年末ライブ in東京 が開かれた。
      三浦 久氏は大学で英語を教えながら翻訳や音楽活動を続ける、信州在住のシンガー
     ソングライターであり、舟木さんが時々千秋楽などのステージで歌って下さる 「宝福寺に
     て」 原作者でもある。  東京での年末ライブは今年で最後というご連絡を頂き、これは
     大変、、オリジナル「宝福寺にをお聴きできるチャンスが無くなるかも、 と舟友さんを
          お誘いし出掛けていった。


イメージ 11   一昨年、 初めてマンダラ2でのライブをお聴
   きしたときも、 ” 本当のことを歌う ” 三浦 久
      氏に、大きな感銘を受けたものだった。

   長い長いバラッド(物語歌)は、 3分に収める
   形よい流行歌とは全く違い、 思いっきり身の
       周りの固有名詞が入り、 昔も今も、ぜひとも
       伝えたいご自分の気持ちや心動かされた人
       たちことばりを曲にして、歌われていた。

   1年の終わりには、 想いを直接何かにぶつけ
   るような、荒削りのまま出来がっている、うま
   く技巧的に作ろうなどというお気持は微塵も
   伺えない曲、でも歌わずにはいられない作品
   の数々をお聴きして、心を新たにししい
   を迎えたいものだ、と思った。
  
   三浦氏は、「満席になることはありませんから、
   予約などしなくてもどうぞご心配なく、『 宝福寺
   にて 』 は、必ず歌います。」 と仰って下さった
       が、 当日は、ファイナルということで今までの
       音楽活動でご縁のあった方や、 三浦氏ファン
       の同年輩男性や若い方たち、その他ゆかりの
                                            方たちで超満員、 立ち見の方も出るほどの
                                            大盛況だった。


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      前半のトップは、ボブ・ディランの懐かしい「風に吹かれて」。 PP&Mの美しいハーモニー
      が流れていたあの頃、 フォークの時代でもあったが、 ベトナムで戦火の燃えさかっていた
     時代でもあった。そしてこの曲は、メッセージ・ソングではあるけれど、その前にプロテスト・
     ソングでもあった。 アメリカの若者の、世界中の若者の。
     ファイナルサブタイトルの ― 友よ、その答えは風に舞っている― は、
     The answer,   my friend,  is  blowin’in  the wind   からと思っていていいだろうか。

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     一昨年の年末ライブの後、三浦氏は体調の異変で
     入院・手術を受けられた。 もう心配は無いことは判
     りつつも回復するにつれ、 ” 遺言のようなアルバム
     を作りたい ”  とのアイデアが浮かんできた。

     協力者を得て、昨年の秋吹き込み、12月13日発売、
           新しいアルバム「九つの物語」が完成した。

     ファイナルライブは、この新しいアルバムに収められ
     た曲を織り交ぜながら、 前半は三浦氏の軌跡ともな
           る曲をソロで、後半はその「遺言」に大いなる協力を
     して下さったミュージシャンとのコラボで、ということで進んでいった。

     前半をお聴きしているうちに、 三浦氏の声が諸々の雑味を昇華してか、 あるいは濾過
     されてか、昨年と比べて少し澄んだお声になっているように思えた。  病気を経験 なさっ
     たことが関係しているのだろうか。

     「山頭火」や、とりわけ、ミャンマーからの留学生ミン君のことを歌った「ミン・オン・トゥイー
     のバラード」が印象深かった前半の終わり、待ちに待った「宝福寺にて」を歌って下さった。
     「今日は舟木さんのファンの方が、三人お見えになっています」 との特別紹介で。
     しかも、 舟木さんが時々ステージでこの曲をお歌いになることから、 「 舟木さんがコンサ
     ートで歌ってくださるときは、 おかげで若干の印税が入りますと、 これは極上の紹介・
          解説付き。  

     前半が終わったとき、 ” こんなに素敵な歌を作って下さって、また今日は特別に歌って下
     さって有難うございます ” の気持ちを込めて、私達3人からささやかな花束をお贈りした。
     心ばかりの花束は、その後のステージにほんの少しだが彩を添えることとなり、3人で喜び
     あった。 


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                         (休憩中のステージ)

   後半は、アルバム制作に協力なさったギターの小山卓治さん、多彩な楽器を駆使されるやなぎさん&
   辻井貴子さんらとの共演で。

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        楽しい「オーリアッドバンドの歌」、「電線の鳥」「菅野有恒(かんのゆうこう)」などが歌われた。
      
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     アンコールは、札幌から駆けつけて下さった方のリクエストに応えて、「パーティは終わったよ」。
     この曲も、舟木さんが歌われたこともあるとお聞きしていたので、嬉しかった! 
     

      ♪ パーティは終わったよ
             作詞・曲: 三浦 久

      一人一人ぼくのまわりから音もなく去って行き
      ぼくは窓の外の暗闇を見ている
      金色の夕焼けはいつの間にか色褪せて
      野原には風が巻き起こっている
       パーティは終わったよ   パーティは終わったよ
       パーティは終わったよ   友よ、 パーティは終わったよ

                           みんなそれぞれ欲しいだけのケーキを切り取り
                           ぶどう酒を腹一杯飲みながら 
                           ほめことばや優しいことばが交わされたけれど  
                           笑顔は泣き顔に、 やがて怨みに変わっていった
                             パーティは終わったよ   パーティは終わったよ
                             パーティは終わったよ   友よ、 パーティは終わったよ

        あなたは背中を曲げて、 闇の中を進んで行く
                           
                   ~~~~~~~
                             ~~~~~~~
           
      この曲も、色々な場面でそれぞれに思い当たる節のある真実、本当のことを歌う三浦氏の歌。
      それだけに、寂れた心象風景。 しかしその淋しい風景が、立ち上がるエネルギーを孕んでいる
      ことに・・・・今なら気付くことができる。

      ご一緒して頂いた舟友さんは、三浦氏のライブのチャンスがあればぜひお話したいことがあった
      ということで、終演後、年来の念願が叶って、 とても喜んでおられた。 また、2度目のライブをお
      誘いした舟友さんとも、”ファイナルに伺って、よかったわね~” と顔を見合わせたことであった。

      三浦 久氏の本当の歌をたっぷりとお聴きし、お誘いした舟友さんたちに喜んで頂けたこともあっ
      て、2度目でファイナルとなったライブは初回以上に満たされて家路に着いた。 新アルバム  『九
      つの物語』 を、改めてじっくりお聴きしようと心弾ませて。 しかし、第22回目がファイナルの年末
             ライブだなんて、実のところ誰も信じていないのではないか。 きっとどこかでライブが開かれるよ
      うに思う。                                                                                                                         
                                                                                                                                                    イメージ 4
      
             そうでなければ土曜日の夜、長野県
      辰野町に出掛ければいいのだ。 
      残念ながらもう駅前に 「 ほたる書房 」
       はないけれど、 伊那冨橋から4軒目、
      三浦 久氏の息子 ( 本当は妖精という
             意味で娘 ) の OREAD があるはずだ
             から。
      

                    

    
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                                CD 『 九つの物語 』 ダイジェスト版


             前・後半を通じて歌われた新アルバム「九つの物語」には、CD化の要望が強かった三浦氏
             の 新しい楽曲や今までの代表曲、ご家族のために作った歌など9曲が収められている。 


           1.オーアッドンドの
               作詞・作曲: 三浦 久   3:34

      土曜日の夜、 行くあてもないなら オーリアッドへ行ってみないか
      伊那富橋から4軒目 聞こえてくるよ今夜もオーリアッドバンド
      We are the Oread,  We are the Oread, We are the Oread Band
               We are the Oread,  We are the Oread, We are the Oread Band

                     ~ ~ ~ ~

     
     2.薫子
       作詞・作曲: 三浦 久   4:21
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      ここがぼくのふるさと信州の田舎のまち
      どこを旅して歩いていても忘れたことはない
      あの山が王城山この川が天竜川
      今ここにおまえと二人新しい朝を迎えよう

                    ~ ~ ~ ~

     3.旅立つおまえに 
       作詞・作曲: 三浦 久   3:15

                 ~ ~ ~ ~

      頬を打つ風は冷たいけど
      春の陽ざし降りそそぐ朝
      おまえは胸をはり
      この町を出る

                がんばれがんばれ、 お前の未来は
                お前の手の中にある

                                           ~ ~ ~ ~

      95年4月、長男が大学へ入学するため東京へ出て行くとき、中央道のバス停まで送っていった。
      風はまだ冷たかったが、春の陽ざしが降り注ぐ美しい朝だった。バスが出たあと振り向くと、青空
      に南信パルプの白煙が垂直に上がっていた。 家に戻りこの歌を書いた。~~
                                                   「九つの物語」ノートより


                          4・あの果てしない大空へ
                            作詞・作曲: 三浦 久  4:13

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        恐れないで思い切って                    
        飛んでみるんだ                                   
        おまえの心の中にある                             
        力を信じて                             
                                       
        あとは風に任せるがいい
        翼を広げて
        あの果てしない大空へ
        はばたいてみるんだ

             ~ ~ ~ ~

                 与えられることに慣れ
                      指図されることに慣れ
                               飼いならされてしまうなよ
                               おまえの一度だけの人生だもの
                
                                                 ~ ~ ~ ~

      96年4月、次男がニュージーランドの高校へ留学するため、家を出て行く前日に書き、家を出る
      直前に歌って聞かせた歌。 ~ ~ 母は今の彼を見たら、あのとき彼が恐れないでとんだことは
      間違っていなかったと思ってくれるだろう。
                                                   「九つの物語」ノートより 
                   
     5.即宗和尚
       作詞・作曲: 三浦 久  7:13                                       

             ~ ~ ~ ~                                        イメージ 7

      明治21年2月の初め
      一人の僧がやってきた
      善知鳥峠を越え小野から三里
      信州蕗原赤羽の村へ

                      彼の名前は林即宗
                      曹洞宗の禅僧だった
                      若いときには各地を行脚し
                      厳しい修行に明け暮れた

                                             ~ ~ ~ ~ 


     6.電線の鳥
       作詞・作曲: レナード・コーエン  日本語訳詞:  三浦 久  6:18

      電線の上の一羽の鳥のように、 真夜中の聖歌隊の酔っ払いのように
      私は私なりのやり方で、 自由になろうとした
      釣針の上の虫のように、中世の物語の騎士のように
      一心不乱にあなたを、私は追い求めた

               ~ ~ ~ ~

     7.菅野有恒
       作詞・作曲: 三浦 久  9:24
     
      その人には一度も会ったことはない  声をきいたこともない でもその人の名前を呼べば
      懐かしい響きがする 彼の名前は菅野有恒 ありつね というのかもしれない
      でもぼくはいつも呼んできた 心の中で菅野ゆうこうと

               ~ ~ ~ ~

                   (般若心経)

                              その人には~~     repeat
       
     8.夢のブックストア
         作詞・作曲: 三浦 久  6:55

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           夏が過ぎ秋が来て
           悲しい知らせが届いた
           誰にも一言も別れを告げず
           あなたが旅立って行ったと
           木枯らし吹く師走の町
           コートの衿立ててぼくは歩く
           遠い初恋の痛みにも似た
           もどかしさ感じながら

             ~ ~ ~ ~
     
        

     9.ガビオタの海
         作詞・作曲: 三浦 久  5:47
                                                                    イメージ 9                                           
              ~ ~ ~ ~

     時には思い出すだろうか
     あのガビオカの海に夕焼けを
     時には思い出すだろうか
     仲間からはぐれた水鳥を

                     あなたに平和がありますように
                     あなたの願いが叶いますように
                     あなたが喜びに満たされますように
                     あなたが自由でありますように

                                    あなたに平和が~~   Fade  out
     
     77年の晩秋のある午後遅く、加茂川の堤防にすわり、オレンジ色の太陽が西山に沈むのを見て
     いた。 そのとき、サンタバーバラ近くの海辺で見た夕焼けのことを思い出し、その情景をノートに
     書いた。 そのノートを元に、辰野に戻ってから何年かして言葉を加えてこの歌を書いた。~~
     コーラスの部分は、 彼ら(対抗文化の時代を共有した多くの友だち)への祈りであると同時に、大
           げさに響くかも知れないが、国を逃れさ迷っている多くの難民の人たちを含む、すべての人たちへ
           の祈りである。
                                                                                                             「九つの物語」ノートより 

      
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           初めて三浦氏のライブをお聴きしたとき、また2回目となる今回においても、.菅野有恒  8.
     夢のブックストア  に感銘を受けてはいたが、 今回9曲を改めて聴いていった。 

     最初は三浦氏のライブハウスの歌、めちゃめちゃ楽しい「オーリアッドバンドの歌」、2曲目は奥様の
     薫子さんのことを歌った、三浦氏27歳のときの歌。 

             ♪ おまえがいなければ何も見えなかっただろう
                      おまえがいなければ今もさすらっていただろう

     と歌ってもらえるなんて、なんて幸せな奥様だろう、、、次は息子さんの旅立ちに際して贈った、親と
     してのはなむけの歌2曲。 その最初の 「旅立つおまえに」で は、薫子さんも加わってのコーラスの
     部分がある。

             ♪ がんばれがんばれ、 お前の未来は お前の手の中にある
     

     息子の未来を励ます母親の澄んだ美しい声が心地よく響き、 こうして両親の溢れる愛の歌と共に
     見送られて旅立つ子どもは、どんなに幸せかと思う。 きっと次の曲も母の優しい愛の響きが重なる
     ものと思って聴いていくと、

             ♪ 与えられることに慣れ  指図されることに慣れ  飼いならされてしまうなよ

     今度は、かなり低いパートで合わせている声が聞こえてきた。 この低い声は何だろう。 そうだ
     、優しいだけが母親じゃない。 腰を据え、腹を括って見守らねばならないときもある・・・何度も聴くと、
           低く合わせている声ばかりでもないのだが、 最初に耳に入った時は、 一瞬はっとしてそう思った。
     それにしても、♪ 与えられることに慣れ ~ ~ ~ なんて、 結構な大人であってもグサリと来る
           レーズではいか。 15歳のご子息を、この旅立ちの歌が贈れるまでに心を鍛えて育てられたご夫妻
           の、 日常姿勢を想像する。

     
     辰野で「ほたる書房」を経営していた田中さんや、 陸前高田で写真屋さんを営んでいた菅野ゆうこう
     さんとの別れは、やはり何度聴いても胸を衝かれる。 知性と感性の出会うところ 「ほたる書房」 に、
     どんな品揃えの本が並べられていたのか、ゆうこうさんが愛したブルース・スプリングスティーンの復
     刻5枚組、40年前のレナード・コーエンのライブ盤・・・何もかも全く判らないことだらけだが、 別離を
     惜しむことも出来ず、心構えもなしに逝かれてしまった愛惜の念は、こうして忘れないことで忍ぶほか
     はない。 お二人を知る周りの方々も、三浦氏のこの曲を、きっと救われる想いで聴いて下さるのでは
     ないだろうか。

     最後は、夢のブックストア 「ほたる書房」の田中さんが好きだった、 ♪ ガビオタの海

     「オーリアッド」を拠点に、ご自分の家族、忘れられないゆかりの人々を歌ってきた「九つの物語」も、
     いよいよ視点は世界へと向かっている。 アルバムの最後に入れられた ♪ ガビオタの海 は、レ
     ナード・コーエンの作品にある

     ~ 私は私なりのやり方で、自由になろうとした ~
                           (「電線の鳥」作詞・曲:レナード・コーエン 日本語訳詞:三浦 久)
     三浦氏ならではの曲のように思える。


                                                                   
         どれだけ道を歩いたら                                            イメージ 10                                         
           人間と呼ばれるのだろう
              どれだけ海を渡ったら
                鳩は休めるのだろう
                  どれだけ弾が飛んだら
                     戦いは終わるのだろう
                       いいかい友よ、その答えは
                         風に舞っているだけさ
                          
                                                                              
                          ( 「風に吹かれて」 三浦 久 訳)



       こたえは風に舞っているにしても、 舞っているからこそ、 何時までも何時までも厭きることなく
       声を上げ続けなくてはならない。 大切なわが身の周りの人たちとともに、視点を世界に向けて

                あなたに平和がありますように
                   あなたの願いが叶いますように
                      あなたが喜びに満たされますように
                         あなたが自由でありますように ・・・・・・・と。
    

       『 九つの物語 』 の中に、ご家族に向けての曲が選曲されていて、本当に聴きやすいアルバムを
       作って頂いたと思う。
       極めてパーソナルなところで作られた楽曲が、当初から三浦氏の音楽活動の原動力であり、それ
       がついに社会の出来事、世界の出来事と繋がっていく様を、まだまだ聴かせて頂きたい。
       三浦氏の曲に流れている ” 本当のこと ” こそ、その源流であることを、 まだまだ私達に確認させ
       て頂きたいと思った。 さて、「遺言パートⅡ」は、何時に致しましょうか?