まんてん農場のスタイル2014
今年もあとわずかで、まんてんほうれん草の収穫が終わります。例年と同じく、なかなか豊作とは言えない作が続いた今年でしたが、「科学的なアプローチによる土壌の可視化を可能にした」という意味では、とても大きな進化のあった1年になったと思います。
農場スタートから5年間、微生物に頼った有機栽培といえども、ビニルハウスという人工的な環境下でほうれん草ばかりの栽培とあっては、さすがに土壌もくたびれ、連作障害も顕著になってきました。コレではいかんと、山ほうれん草や小松菜を試験栽培して、再び収穫後の土壌分析。この繰り返しと蓄積が、来期の収穫に繋がります。
また今年は、有機栽培ではありませんが、別圃場にてトマトの栽培も始めました。試験的な栽培であったため、遅いスタートになりましたが、なんとか結実しました。ただ、気温の低下で色が付かずに出荷はあきらめ、加工用にアタマを捻ることに…
今年の1つのテーマとして、垂直統合的な農業があります。仮に生産という事に的を絞って考えると、良品も規格外品も、ランクは違えど全てを商品化するという事。どういう事がというと、「捨てない農業」です。青いトマトだって、ほうれん草の端材だって、全て貴重な作物に変わりありません。まだ食料自給率が低く原料確保に困っている日本にあっては尚更です。
でも、春から秋の栽培はそろそろ終了。
これからは瞬く間に気温は寒くなり、雪が降っては積もって、いよいよ冬に突入します。
この冬の間に、じっくりと土壌分析と改良計画を立てながら…更に、今年から椎茸栽培をスタート。
お陰様で1年中仕事があります。
こんな風にして、模索しながらも、着実に循環型農業への道を進んでいます。
現代農業や消費社会の矛盾や限界にぶつかりながら、これからの社会に必要なスタイルが自然に出来てくるんだと思います。
そうやって農業は時代に合わせて進んできたのです。
こういう自分たちの仕事への「意味付け」はとても大切ですね。
そして、これこそが「まんてん農場」のスタイルである、と僕は思っています。
ボスでした。