雨中の栗林公園

テーマ:

昨日は、秋雨前線に伴う大雨の中、高松市にある栗林公園に行ってきました。

国の特別名勝に指定されている栗林公園は、四百年の歴史を誇り、とくに江戸時代にこの地を治めた松平頼重公によって大規模に造成され、日本を代表する大名庭園となりました。

敷地面積は、23万坪にも及び、庭園の全てを観るのにおよそ二時間かかる広さです。

最近では、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにて、わざわざ旅行する価値のあるスポットとして三ツ星を獲得したのだとか。

「日本らしさ」をこよなく愛する海外からのお客さんにはとくに人気のようですね。

かなたには紫雲山が堂々と聳えており、その東麓に位置する公園の緑が陸続きで上へ上へと広がっている、美事な構成です。

まるで世界そのものが美しい庭園の緑によってのみ存在しているかのようでした。



名前は栗林ですが、栗林公園の見どころは、1300本にも及ぶ立派な松にあります。

数百年に渡り、名うての庭師たちが丹精込めて育ててきた立派な松は、一本一本が芸術品であり、優れた個性を放っております。




栗林公園の魅力は、「一歩一景」と呼ばれる景観の美しさであります。築山、池、小川、樹木、小径といった全ての配置が計算されており、全方位的に美しい景色を眺める事ができるのです。

とくにベンチが置いてある場所は、そこに座って眺めて下さいという設置者からの無言のメッセージなので、是非座って眺めたいものです。
しかし、この日は大雨でベンチが濡れて座れませんでしたので、ベンチの近くに立って眺めるようにしました。



雨に烟る風景が山水画のような幽玄な世界を作り出していましたが、欲を言えばもう少し雨量が少なかったら良かったですね。



場所ごとに名前が付いておりますが、中国風の名前が多いのも特徴ですね。大和心と漢心を合わせた、いにしえの風流人たちの才覚が随所に光っております。


赤壁と名付けられた立派な崖から滝が豪快に流れ落ちています。手前には睡蓮が静かにねむっていて、何とも不思議な世界でありました。


同じく庭を眺めていたオジサンが、「くりばやし公園」と連呼していましたが、正しくは「りつりん公園」であります。


太鼓橋や睡蓮を眺めていると、印象派の巨人クロード・モネが日本の庭園美に触発されてみずから日本風の庭園をつくり「睡蓮」の連作を多く描いた気持ちが分かるような気がしました。

静かな美しさ、人間が手を入れすぎずに、自然の美しさを尊重した庭づくりをすることにより、実に奥行きのある豊かな自然美に出会える事ができるのです。

心を洗うためにも、行ってみて本当に良かったと思いました。