人たらしの流儀
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インテリジェンスに通じた外交官であった
佐藤優さんの「人たらしの流儀」。
人たらしもここまで「技」として究められるのだ。
赤の広場の真向かいにマルクスの像があります。
その像に、卑猥な落書きがあった。
こんなことは、それまでは決してなかったことです。
国家が本当に崩壊し始めたのだと感じた象徴的な光景でした。
本当に秩序が崩れたのだと実感しました。
インテリジェンスの世界では、
そんな観察力も非常に重要なことなのです。
国家の中心になるような象徴的な場所に
卑猥な落書きを書かれるようになると、
それは国家が崩壊する危険な兆候と見るべきです。
なるほど。日本でもそのようなことが起こらぬようにしたいが、
「起こって欲しくないこと」として「正常化バイアス」が
働き過ぎないようにしないと。
確かに、その相当部分のところは、貨幣に換算できます。
ところが、氣をつけなければならないことがあります。
何でもかんでもお金で問題を解決しようとすると、
大変なことになります。
――どうなるんですか?
人によりますが、ウイスキーを二本ぐらい飲んだとき、
もっと欲しくなるほうですか?
――いや、そんなに飲めないです。もう、いいです。
そうでしょ。では、女性をひと晩に三人以上抱ける?
――いやー、もう、一人で十分です。
そう、普通の男性は、女性をひと晩で三人以上、
相手にするのは難しい。
ところが、金は、十万円もらうと、次は百万円、百万円もらうと、
次は一千万円欲しくなる。
――なるほど、欲望の数値に限界がない、と。
酒と女は、肉体的な限界があるので、欲望にも限界があります。
ところがお金には限界効用が逓減しないという
怖い特性があります。
だから、その金額が恐ろしいほど、跳ね上がる。
経済学やファイナンスで学んだ限界効用を
対象物で比較すると面白く、怖いものだ。
たしかファイナンスでは「ビール」だったが、
「カネ」だと確かに「良心の呵責」が無ければ無限かもしれない。
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