
佐藤優の特別講義 戦争と有事: ウクライナ戦争、ガザ戦争、台湾危機の深層 25217

★★★★★
週刊ダイヤモンドでお氣に入りの佐藤優さんの記事が
隔週になってしまったのは寂しいことだが、
一度無くなってしまったことを覚悟したので
どん底から考えると嬉しいw
さて、本書。
先の参院選を踏まえていろいろ考えているところに
ここが響いた。
ヨーゼフ・シュンペーターは議会制民主主義における有権者について、
『資本主義、社会主義、民主主義』( Ⅱ)で、
「直接責任があるという理由で自発的に動かない限り、
いくら完璧で正確な情報が山ほどあっても、
無知は免れ得ないということだ」と述べ、さらに、
「普通の市民は政治の領域に入った途端に思考能力が低下する。
(…)原始的な思考回路に逆戻りし、連想で情緒的に物事を判断する」
と語っています。
民主主義がこういったシステムであるにもかかわらず、
国民に政治に関心を持てというのは、
ある意味、非常に矛盾した考え方です。
「政治は人に任せろ」という制度の中で、
どうして政治に関心を持てといえるのでしょうか。
なにしろ政治に責任を持つことなく、
欲望を追求することで税金を納めることが
理想的とされる制度なのですから。
そもそも、資格試験を通過した専門家(官僚)と、
選挙という民意で選ばれた専門家(政治家)で
国政を担うという仕組みがある以上は、
選挙民が無責任体質になるのは当然のことなのです。
究極的には、市民社会において各人が責任を負わないといけないのは、
自分の家族の生活と仕事だけです。
欲望の追求に関しては責任を持たなければいけないけれども、
政治に関して責任を持たなくともよいという組み立てになっている。
だからこそ、日本のような無責任体質の国は、
戦争のような日常を破壊する緊急事態には弱いのです。
しかしそれはまた、日本が平和であることの証明でもあります。
日本の基本スタンスは、政治のプロである政治家と官僚が
外交などを通じて戦争に巻き込まれないようにすることですから、
平和時には、彼らに任せていれば問題はありません。
むしろ、民衆が中途半端な知識人に扇動されて
戦争へと向かう危険のほうが、よほど高いと思います。
シュンペーター先生はこんな指摘もしていたのだ。
それを受けての佐藤優さんの指摘が
実に正鵠を得ていそうで怖い。。
世界のエリートが学んでいる哲学・宗教の授業/佐藤優 25046