「おじさん」的思考/内田樹 21316 | 年間365冊×今年22年目 武道場主 兼 投資会社・コンサル会社   オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

「おじさん」的思考/内田樹 21316

 

★★★★☆

内田樹さんのエッセイ。面白いなぁ、このおじさん。

漠然と感じ思っていたことを抉り出し、言葉にされる。

 
 多田先生が「病とともに生きる」ことの大事さを繰り返し強調されたのは、
 そうすれば「健康にもどる」からではない。
 そうやって生きる方が人間は運命に与えられた時間を豊かに、
 かつ愉快に過ごすことができるからである。
 
 私にもいずれ武道の稽古ができなくなる日が来る。
 武道人生の「終わりのチャイム」が鳴ったときの対処の仕方について、
 私たちは素晴らしいロールモデルを有している。 
 そう、「宗方コーチ」である。 
 
 彼に選手生命の終わりは唐突に訪れる。
 そして、そのあと、テニスプレーヤーとしての絶頂期を
 「自分のプレーヤー生命にいつか終わりがくる」ことを
 一度も予想せずに過ごしてきたことに氣づき、
 深く恥じ入るのである。
 そして、彼は愛弟子の「ひろみ」に私の失敗を繰り返すなと諭し、
 「この一球は唯一無二の一球なり」という言葉を伝える。
 『エースをねらえ!』を読んだとき、
 私は二〇代のなかばであり、
 それまで自分にもいずれ武道家人生の終わりがくるということなど
 考えたこともなかった。
 しかし、『エースをねらえ!』を読んだ私はいずれ必ず訪れる
 武道家人生の終わりのために、
 一日一日の稽古を、一本一本の技を、
 「唯一無二の、かけがえのない経験」
 として生きるようにしようと決めた。
 
 それから二五年経った。
 いま「終わり」が来ても私は平氣である。
 
そうだ、そうだよな。。
人生の終わりが来る前に、
武道家としての終わりがくる。
もしかしたら同時かもしれないけど。
 
今日の稽古が、今この一本の技が
「人生最後の技」と覚悟して稽古に取り組みたい。
 
 

疲れすぎて眠れぬ夜のために/内田樹 21302

 

先生はえらい/内田樹 21260

 

修行論/内田樹 21257

 

ローカリズム宣言―「成長」から「定常」へ/内田樹 18095


悩める人、いらっしゃい 内田樹の生存戦略/内田樹 17071


いきなりはじめる仏教入門/内田樹 釈徹宗 15341

ぼくらの身体修行論/内田樹 平尾剛 15275

一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教/内田樹 中田考 15259

内田樹の大市民講座/内田樹 15085

身体知-身体が教えてくれること (木星叢書)/内田 樹, 三砂 ちづる 07318

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち/内田 樹 07296

身体を通して時代を読む/甲野 善紀, 内田 樹 07052

私の身体は頭がいい―非中枢的身体論/内田 樹 06357

 

日本辺境論 (新潮新書)/内田 樹 10308