なぜ、働くのか: 生死を見据えた『仕事の思想』/田坂広志 18064
- なぜ、働くのか: 生死を見据えた『仕事の思想』/田坂広志
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七回目。まだ七回しか読んでないのか。
ターゲット読者は20代30代なのだろうが、
40代でも十分感じるものがある。
若い頃に出会えて、読み返すことが出来たことに感謝したい。
知性とは何か。
いま、世の中の多くの方々が、こう思っています。
「知性」とは、「答えを見つける力」である。
目の前に問題が出されたとき、それを迅速に解いてみせる。
それが「知性」だと思っている方々が多いでしょう。
しかし、そうではありません。
むしろ、「知性」とは、まったく逆の力です。
それは「問い続ける力」です。
なぜなら、皆さんが日々取り組まれている仕事は、
その多くが、答えのない問いを投げかけてくるからです。
人事一つでも、戦略一つでも、経営において直面する問題は、
もしそれを本当に深く考えるならば、答えなどない。
そして、皆さんが、人生において直面する問題は、
さらに、答えなどない。
そのほとんどが、答えなどないのです。
だから、我々は、真の「知性」を身につけなければならない。
答えのない問いを、問い続ける力。
それを身につけなければならないのです。
生涯かけて問い続けても、答えなど得られる問いを、
それでも問い続ける力。
世に溢れる安易な答えに流されることなく、
精神の深みにおいて答えを求め続ける力。
その魂の力こそが、真の「知性」なのです。
そうであるならば、一人の人物が、
真に知性的な人間であったか否かは、何で決まるのか。
その生を終えるときです。
そのときに、それが決まる。
命尽きるその瞬間まで、答えのない問いを、問い続けたか。
生を終えるときに、我々に、そのことが問われるのです。
そのことを忘れないでいただきたい。
不惑をとうに過ぎてそろそろ知命が見えてきた。
でも、いつまでも「答えなき問い」を問い続けたい。
そう、強く思う。
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