堺屋太一が見た 戦後七〇年 七色の日本/堺屋太一 16101
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堺屋太一先生自伝、とはこれは読まずばいられまい。
まず感心するのは戦争の頃の世間や自分の心まで
よく記憶されているなぁ、というもの。
「将校を急に大人たちが軽んじはじめた」というのは
子供にも強く感じる出来事だったのだろうか。
興味深いのは、官僚や政治家として様々な仕事に取り組まれながら、
作家としてのお仕事を嬉々として両立されている、というところ。
この時のこの時代、この仕事をしていたからこそ、
あの著書があったのだなぁ、という背景が見えてくる。
とくに印象深いのは小説第一号の「油断!」が
折角オイルショックを「予見」していたにもかかわらず、
出版社の「見る眼の無さ」により一旦お蔵入りしていた、というもの。
「半歩先」ではなく「数歩先」を読むものは時代に取り入れられない
という証左なのか。