昭和天皇の悲劇―日本人は何を失ったか (カッパ・ビジネス)/小室 直樹 11121 | 分譲マンション屋の読書日記
2011-05-01 04:20:22

昭和天皇の悲劇―日本人は何を失ったか (カッパ・ビジネス)/小室 直樹 11121

テーマ:歴史
昭和天皇の悲劇―日本人は何を失ったか (カッパ・ビジネス)/小室 直樹
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★★★★☆



大学生の時に、貪るように読んだこの本。

なぜか机の上においてあったので

ついつい懐かしくなって手に取る。


いたるところに書き込みがあったり、

わからない言葉を解説してたり。

なかなか真摯に勉強しているなぁ、

と思ってみたりして。


この本でも、小室節が炸裂する。

後の更なる小室直樹先生の精緻さまでは至らないが、

却ってその真情が伝わってくるよう。


 大日本帝国は立憲国家であった。

 天皇は、専制君主ではなく立憲君主であった。

 ゆえに天皇は、輔弼する者が一致して奏上したことは

 お氣に召さないことでも、裁可されなければならない。

 したがって、いかなる決定といえども、

 輔弼の任に当たる者(国務大臣、参謀総長、軍令部総長)

 に責任がある。

 天皇に責任があるということは、考えられない。


 このように論ずる人々は、すすんで次のようにコメントする。

 大東亜戦争終結にさいして下された「聖断」は、

 なぜ、大東亜戦争開戦のときには下されなかったのか。

 「聖断」によって、なせ戦争を阻止し得なかったのか。

 ニ・ニ六事件のさいに示されたような決断は、なぜ

 大東亜戦争開戦の前には示されなかったのか。

 

 この問いには左のごとく答える。

 ニ・ニ六事件の時には、日本政府は消滅していた。

 参謀本部、軍令部を含めて軍部に

 意思決定の出来るものなどいなかった。

 国務大臣、軍首脳だけでなく、当時の日本の上層に

 確乎たる意見を持つものはいなかった。

 輔弼の臣は不在であった。

 国家・国民は危殆に瀕していた。

 緊急事態である。


 ゆえに、立憲国家に対する緊急な国権の発動として

 天皇大権が発動されたのである。

 終戦にさいしての「聖断」もまた同様。

 ポツダム宣言の受諾か本土決戦かをめぐって、

 輔弼にあたる臣の意見は二分した。

 そのため、輔弼不能となった。

 ちなみに、輔弼は、全員一致でなければならず、多数決ではない。

 他方、国家・国民は危殆に瀕している。

 荏苒として時をすごさんか国民の犠牲は、はかりしれない。

 緊急のさい、輔弼が不可能となったのである、

 ゆえに、立憲国家に対する緊急な天皇大権の発動として、

 「聖断」は下された。



畏れ多くも昭和天皇ご自身が、

この本をご覧になったら、何をお感じになるのか。

「わが意を得たり」と思われるのか、どうか。

とても氣になるところだ。

 

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