よく「日本は労働生産性が低い」なんてことが言われていて、「もっと効率化を」なんて話が出てくるのだが、本当にそうなのか。

 

 企業の効率化が進んだとして、それは誰の利益になるのか。

 

 効率化が進んで余剰となった労働力や予算を、新たな生産に回すといっても、物余りの状況ではそれが必ずしも企業全体のプラスになるとは限らない。

 たとえイチ企業として利益拡大になったとしても、それが競合他社の利益を食うようなことになれば、国全体でみればトントンでしかない。

 

 それでも効率化によって、労働者たちの雇用が確保されたまま給与も上がるというのなら、それは国民の利益として歓迎すべきだろう。

 しかし低成長時代の今、効率化が進めば、その先に待っているのはリストラを主としたコスト削減だろう。

 

 企業自体はそれでいいんだろうが、雇用の減少は国全体としてみればマイナスでしかない。

 効率化によって失業率が上がれば、それは消費の減少となり、結局GDPの低下にもつながるだろう。

 

 「生産性を高めよ」なんていうのはしょせん、企業側、あるいは支配者層の言い分にすぎない。

 

 ダラダラやっていても、たくさん給料がもらえる社会。

 本音ではみんなそういうのがいいんでしょ?

 だったらもっとそれを主張していかないと。