これまでに只一度だけ蒙古タンメン中本へ行ったことがあって、あれは確か亀戸へ転居した直後、下の娘が産まれた後だったと記憶しているので、20年ほど前のことになる。

 今はその時の亀戸店も、もうないのかな? 

 調べたわけではないけれど。

 

 当時、看板の蒙古タンメンを食べた際の感想は「こんなもの二度と食うか」だった。

 もともと辛味に強くなかったし、翌日の排便時には唐辛子のせいなんだろう。

 肛門がヒリヒリして、とても不快だった記憶ばかりが残っていた。

 

 それが先日の日曜、用足しに出かけた際のこと。

 昼食をとろうと目当てにしていたラーメン店が臨時休業ということで「何か別のラーメン屋を」と市川駅周辺をぐるぐる歩き回ったのだが、「並んでまで食べたくない」「家族が在宅している時に一人でニンニクってのもどうか」などの気持ちがあって、どの店もピンとこない。

 

 だったら超久々に中本ってのもアリなんじゃないか、と思い立った。

 このところ競輪に負け続きの自分に対する一種の「罰」のような気持ちもあった(中本には失礼な話だが)。

 

 「並び待ちになるようだったらやめる」と店前へ行くと、どうやらそのまま入れそうだったので、とりあえず以前と同じ蒙古タンメンを券売機でプッシュした。

 

 で、食べてみたのだが、これが思いのほか食べられる。

 汗と鼻水はひっきりなしに出てくるし、辛いは辛いのだが、食うに堪えないというほどでもない。

 もともと味噌ラーメンって味がぼんやりとしがちだから、それだったらこのくらいの辛味があったほうが旨いんじゃないか、とすら感じた。

 

 これはなんだろう。

 年をとって味覚が衰えたせいなのかと、いくらか心配にもなってくる。

 

 あるいは20年のうちに、立ち食いソバで七味をかけまくるなどしているうちに耐性がついたのか。

 翌日の排便時にも、以前に苦しまされた肛門のヒリヒリ感はなかった。

 

 なるほど。

 これだったら年1回ぐらいなら、自分に気合いを入れる意味で食してもいいかな、なんて思った次第。