犯罪というものに対して「許せない!」などと正義感を覚えるようなことがあまりない。

 一歩間違えればそっち側に転がり落ちるという危機感のようなものがどこかにあって、犯罪者を擁護するつもりはないにせよ何か感情移入してしまうというか「まあそういうこともあるか」と感じてしまうんだ。

 

 だから自分や近親者に対しての犯行であれば徹底抗戦するけれど、他所で起きたことに関してはちゃんと法的に罪を償い、上辺だけでも反省の色を見せているなら、それ以上追及しようという気にならないんだなあ。

 過去の罪がなかったように開き直ってるヤツや、「法的には問題ないから」と賢ぶってるヤツらは大嫌いなんだけどね。

 

 EXITの兼近が、ルフィとのつながりとかなんとかでいろいろと言われているらしい。

 批判する人たちが「被害者の気持ちに配慮しろ」というのはたしかにその通りなんだけど、でも兼近がきちんとしたふるまいで成功することは、それで救われる人間も多いと思うんだ。

 

 私はここのところ兼近を見る機会というのがほとんどないんだけど、ネット記事などで見る限りだと彼なりに節度をわきまえているようにはうかがえるし、月並みだけど、そんな兼近を見て、今汚れた世界で生きている子のうちの何人かは「俺もまっとうに生きよう」と思うようになるんじゃないかなあ。

 

 もともと芸人なんて、世を拗ねた半端者たちが「ここでなら生きられるんじゃないか」と集まってくるような世界だったのだ。

 そう考えれば兼近こそが芸人らしい芸人だとも言えなくはない。

 

 まあ個人的にはもうちょっとネタをやってほしいとは思うんだけどね。

 以前にここで書いたことがあるんだけど、1回だけテレビ(お笑い二刀流だったかな?)で見たコントが結構いい感じだったので、できればそっちのほうで。